パナソニック エナジーが高出力電池と蓄電システムで推進するAIインフラ戦略とは:パナソニック エナジーの次世代AIインフラ戦略(1/3 ページ)
「BATTERY JAPAN【秋】〜第21回[国際]二次電池展〜」の基調講演にパナソニック エナジー CTOの渡邊庄一郎氏が登壇。同氏は、気候変動対応や需要が高まるAIデータセンター動向などのエネルギー環境の変化を背景に、同社が電池セルの進化や電源システム、脱炭素の領域などでどのような取り組みを進めているのかについて説明した。
2026年9月9日、「BATTERY JAPAN【秋】〜第21回[国際]二次電池展〜」(同月9日〜11日、幕張メッセ)の基調講演にパナソニック エナジー 副社長執行役員 CTOの渡邊庄一郎氏が登壇した。渡邊氏は、気候変動対応や需要が高まるAI(人工知能)データセンター動向などのエネルギー環境の変化を背景に、同社が電池セルの進化や電源システム、脱炭素の領域などでどのような取り組みを進めているのかについて説明した。
混沌から転換へ AI時代におけるLIB電池事業環境の変化
近年、DC(データセンター)をはじめとした、急伸するAI需要に対応するためのインフラの重要性が高まっている。渡邊氏は「データセンターを中心に見える景色が全く変わってきている。グローバルにおけるLIB(リチウムイオン電池)の需要予測において、2025年時点ではほとんどがバッテリーEV(電気自動車)用途になると予測されていたが、現在ではデータセンター向けの需要も多くなっている」と市場構造の変化について説明する。
国の政策によって違いはあるものの、グローバル全体で見ると自動車市場全体に対するバッテリーEVの比率が着実に伸びている。バッテリーEV比率について、2030年頃には中国は50%に、次いで欧州は38%にまで成長するといわれている。「東南アジアでは電力事情や石油の買いやすさといったさまざまな観点で見ると、トータルではバッテリーEVが安いという状況が起こりつつあり、需要は実際に増えている」(渡邊氏)。
一方、AIインフラ関連では、過去数年間でNVIDIA製GPUの演算性能は160倍に進化し、大手クラウドベンダーなどのハイパースケーラートップ4社の設備(データセンターなど)投資額は、2030年に国家予算並みの1兆ドルにまで成長すると予測されている。
これらAIインフラの需要増加により、AIを使用するごとに多大な電力を消費することとなり、物理的なインフラ負荷がかかってしまう。また、地球環境の観点で温暖化への影響が懸念されている。渡邊氏は「データセンターの電力消費量が増え、AIの計算時に多大な電力を消費し、それ以外の時は電力使用量が大幅に下がるといった負荷変動が大きくなるという課題が発生する。また、グローバルで約13億人がAIデータセンターを使用しているといわれており、この利用者にサービスを提供しているAI事業者の従業員が約250万人いると推定されている。これらを支えるデータセンターは約1.2万カ所しかなく、特定地域に集約されてしまっている」と分析する。
例えば、米国では大手IT企業が位置する大都市周辺にデータセンターが集中しており、近隣の住人からは、データセンターに対する苦情が寄せられ問題となっている。AIの急成長/拡大は不可逆的に進行する中、電力や水、土地といったローカル負担が増加している問題をどのように解決するのかに注目が集まっている。
データセンター向けの電力需要は今後も増加を続けると予測され、電力の負荷変動対応と電力量削減の両方を解決しなければならない。この部分に対して、パナソニック エナジーは負荷変動の緩和に注目し、さまざまなソリューションを提供している。
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