AI時代こそ生身の対話が重要、日東電工が「inovas TOKYO」刷新で共創を推進:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
日東電工は東京本社に設置されたイノベーションセンター「inovas TOKYO」を2026年10月1日にリニューアルオープンした。inovas TOKYOで推進する、「共創AI」と顧客との「生身の対話」を掛け合わせた潜在課題の解決とは?
日東電工(以下、Nitto)は2026年9月30日、東京都内で新オフィス見学会を開催した。併せて、オフィスビル「品川シーズンテラス(東京都港区港南)」の26階からオフィスビル「TOFROM YAESU TOWER(東京都中央区)」の49〜50階に東京本社/支店を移転したことに伴い、新オフィスでイノベーションセンター「inovas TOKYO」を同年10月1日にリニューアルオープンすることも明かした。
重要視しているテーマは「新共創ストーリー」
Nitto 取締役 上席執行役員 最高技術責任者(CTO)の片山博之氏は「当社はこれまで、さまざまな産業の顧客と向き合い、多様な課題の解決に取り組んできた。さまざまな時代で解決が求められる課題を成長の機会としてきた。昨今、AI(人工知能)が、生活や産業に大きな変化をもたらしている。その変化もAIが課題として解決するような時代になってきた。あたかもAIがあれば全て良しというような世界になったのではないかと想像してしまいがちだが、実は全くそんなことはない。こういう時代だからこそ、生身の顧客との接点を増やして対話を深めていく、こういう営みがますます必要になってくると私は考えている」とあいさつした。
その上で、「日東電工が有している技術や知見、パートナーシップを掛け合わせて、R&Dや事業の共創活動へつなげる新しい場がinovas TOKYOだ。inovasの始まりは、大阪府茨木市に2016年に設立されたイノベーションセンターとなる」と振り返る。
同施設で重要視しているテーマは「新共創ストーリー」だ。新共創ストーリーでは、「顧客」「体感デモ」「共創AI」「専門人材」を組み合わせることで、対話を深め、Nittoの技術や知見、パートナーシップを掛け合わせ、R&Dや事業の共創活動へつなげる。
具体的には、市場や社会の変化、技術トレンド、対話から本質的課題を深掘りする。これに対して、多様な業界の変化と同社の製品群の市場接点から得られる知見を用いる。さらに、他拠点や技術マーケティング、研究者、専門人材を接続し、議論の質とスピードも高める。
「Nitto独自の共創AIを活用しながら市場の変化や社会の変化、技術のトレンド、顧客との対話をリアルタイムに掛け合わせ、未来に向けた新しい価値創出の可能性を探索していく。顧客がinovas TOKYOに訪れた時には、他拠点や技術系の人材、マーケティングの人材を同時接続して議論の質を高める。AIに全て事業を丸投げしようということではない。AIの力と当社の技術や経験、顧客との対話、これらを組み合わせることが重要だと考えている。さらに、顧客にデモンストレーションを披露しながら、議論を深めていく」と片山氏は説明した。
共創AIは、同施設に訪れた顧客のバックグラウンド、業界情報、特許情報などをAIが複合的に事前解析し、「複数の潜在的課題」を生成して表示する。営業担当者が顧客と対話しながら課題を絞り込むと、共創AIがNittoの基幹技術データベースから最適なソリューションをひも付けて提案できる。
同施設は、顧客に寄り添い、課題をともに考え、未来の可能性を探る共創拠点だ。「対話でつなぐ。」をコンセプトに、Nittoの製品/技術と顧客の課題を結び付け、新たな発見や価値の創出を目指す。
加えて、「シアター」「共創ルーム」「応接室」を備えている。シアターでは、来訪目的に合わせて選択できる3種類の映像コンテンツを用意し、Nittoの歩みや社会課題への取り組みを紹介する。また、4画面同時投影によるライブディスカッションに対応し、国内外の拠点をつないだリアルタイムの対話を実現する。
共創ルームは、Nittoの幅広い製品や技術を、体感型デモンストレーションを通じて紹介する。共創AIなどを活用し、顧客が関心を持ったテーマからその場で対話を広げ、課題やアイデアを引き出すことで、新たな価値創出にもつなげる。
応接室は、50階から東京駅や皇居を望む開放的な空間で、最大20人までの商談やディスカッションに対応する。オンライン会議環境も備え、顧客や国内外の拠点との円滑なコミュニケーションを支援する。
なお、inovas TOKYOは一般公開を行っておらず、完全招待制となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.




