航空事業の成功を全社へ、パナソニック コネクト新CEOが描く成長戦略:製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)
パナソニック コネクトでは、2026年4月にそれまでアビオニクス事業を率いていたKen Sain(ケン・セイン)氏が新CEOに就任した。報道陣の合同取材に応じたセイン氏の考えを紹介する。
MIFを生かしたサービスビジネスを新たに展開
パナソニックグループでは、ソリューション領域強化の方針を打ち出しており、その中核事業会社の1つとしてパナソニック コネクトが挙がっている。パナソニックグループが抱える多様なハードウェアをMIFとし、各ハードウェアを基軸に新たなデータサービスやソリューションの創出を狙う方針だ。
既に、パナソニックグループの事業会社間での連携も進めているが、セイン氏は「あくまでもまずはパナソニック コネクト内での事業連携によるソリューション強化を進める」と説明する。
「パナソニック コネクト内にも、アビオニクス事業、ブルーヨンダー(SCM)、回路形成プロセス事業(実装機)、現場ソリューションカンパニー、モバイルソリューションズ事業(PC)、溶接プロセス事業(溶接機)、パナソニック プロジェクター&ディスプレイ(プロジェクター)という7つの事業があり、その多くがMIFとなるハードウェアを展開している。共通のソフトウェアプラットフォームの用意も進んでおり、各事業でのソリューション拡大を進めるとともに、各事業の間を結び、新たな価値を生み出していく」(セイン氏)
パナソニック コネクトにおけるソリューション領域の販売比率は2017年には49%だったが、2025年には65%に高まっている。これを2030年には7割程度まで引き上げるとしている。ソリューション関連の人員も2025年は51%だが「3分の2から7割程度には引き上げる」とパナソニック コネクト エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント CFOの西川岳志氏は説明する。「MIFを起点とするため、ハードウェアの販売を中心とするビジネスも残り、ソリューション領域の比率が100%になることはない。ただ、全体の売上高を増やしつつ、ソリューションに関わる人材や売り上げを7割程度まで引き上げる」(西川氏)としている。
AIサービスを支える共通ソフトウェアプラットフォームを展開
セイン氏とのその他の主な質疑応答の内容は以下の通りだ。
―― パナソニック コネクトのCEOに選任されたが特に何を期待されていると感じるか。
セイン氏 パナソニックグループに入社してから既に7年の経験がある。その中でコロナ禍という困難な状況の中でアビオニクス事業を再生した実績が特に評価されたと感じている。あらゆる環境が厳しい中、チーム一丸となり、変革を進めた。製品ポートフォリオも再設計し、そしてようやく成功をつかむことができた。この経験が、1つのベストプラクティスとされているのではないかと感じている。もちろん私だけでできたことではなく、チームのメンバーが非常に素晴らしかった。幸運だったと感じている。
―― パナソニックグループの中で、ソリューション領域の中核事業会社でもあるが、どういう役割を求められているのか。
セイン氏 他の事業会社との連携は進めているが、まずフォーカスしているのは、パナソニック コネクト内をまとめることだ。パナソニック コネクト内の事業間を何らかの形でつなげ、新たな力を生み出すことを考えている。ソリューションビジネスとして協業などを進めていく。
―― ソリューション領域を強化するとしているが、パナソニック コネクトの中でもハードウェア中心の事業やソフトウェア中心の事業があるが、どういう考え方で伸ばしていくのか。
セイン氏 MIFの考えを掲げているように、あくまでも土台はハードウェアのビジネスだと考えている。中核となるハードウェアにサービスを巻き付けてラッピングするようなイメージだ。既に顧客のところで稼働している機械が数多くあり、そこから生まれる日々のデータがあり、さらに各事業におけるビジネスドメインの知見がある。これらをつなぐことで、新たな価値を作ることがまずやりたいことだ。そのために共通のソフトウェアプラットフォームなどの用意も進めている。
今後はAI(人工知能)がさまざまなビジネスに入り込む時代になり、AIエージェントなどで作業の自動化なども進んでいく。その際に、ビジネスに深く入り込んだデータを扱えることにより、より“賢いAI”を使いこなすことができるようになる。共通のソフトウェアプラットフォーム経由で、データの取り扱いやAIの活用などができるようにし、AIサービスを展開できるようにする。そのための仕掛けを作っていく。
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