LiDAR不要、カメラのみで自動駐車が可能 AI認識技術で躍進するSTRADVISIONとは:自動運転技術(3/3 ページ)
自動運転ソリューションを展開する韓国のSTRADVISIONとAmazon Web Services(AWS)は、STRADVISION東灘(トンタン)オフィス内でメディア向けツアーを開催し、両社の事業取り組みについて説明した。併せて、STRADVISIONが開発を進める自動運転技術を披露した。
カメラのみで自動駐車を実現 デモンストレーションを披露
会見会場ではセンサーとしてカメラのみを用いる自動駐車技術を披露した。デモンストレーションで乗車可能だった車両には、前方にフロントカメラを1台、その他の箇所にサラウンドカメラを4台設置しており、これらのカメラで車両の周囲360度全方向から取り込んだ映像データを活用して自動駐車を実現していた。
STRADVISIONの説明担当者は「ドライバーが駐車ボタンを押すだけで、ハンドルやアクセル、ブレーキを自動でコントロールしてくれる。カメラが取り込んだ映像から、駐車できるスペースの距離がどれくらいあるのか、走行速度や動き方も含めて全て計算し、自動駐車が可能だ」と説明する。
開発段階ではカメラが障害物を検知すると画面上に色のついた枠で表示されるようになっている。また、リモートコントロール機能を使用して外から自動で車両を駐車できるような仕組みの開発も進めているという。
「開発を進めて3年程度で現在の段階まで実現できた。今は自動車メーカーと一緒に開発を進めており、実用化を目指している」(同担当者)と述べる。
AWSのソリューションを活用して、技術開発/業務効率化を推進
STRADVISIONはプロダクトの利用やプロセスなどを通じてデータを集め、AIモデルやシステムの改善/最適化を継続的に進めることで、良いユーザー体験と高品質なデータを作り出すメカニズムである「Data Flywheel」について、AWSのソリューションを活用して効率化を進めている。
Data Flywheelの課題として挙げられる「データ量の規模が膨大になる」「手作業によるデータラベリング」といった内容を解決するために、オンプレミス環境とAWSクラウドを連携させてデータパイプラインを構築した。これにより、生産性を7倍に向上させ、コストの50%削減に成功している。
また、「実走行データのみでは危険な状況のデータを集めることができない(カバレッジの限界)」という課題に対しては、シンセティック(合成)データやシミュレーションを活用している。画像や映像に対して3Dオブジェクトを合成することで、ある地域で見られる交通状態を再現し、実世界では起こすことが難しい危険な状態/シナリオを想定したデータを学習させている。
(取材協力:AWS)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
自工会とITS Japanが自動運転社会に向け連携、2028年から情報管制基盤の実装へ
日本自動車工業会(自工会)が、自動運転関連を中心に「新7つの課題」への取り組みの進捗状況について説明。同会 会長の佐藤恒治氏は、自動運転技術の社会実装に向けて「スピードを上げていく」と強調し、ITS Japanと連携してインフラとの協調も含めた取り組みを推進する方針を示した。
金色に輝く「サイバーキャブ」の外板は樹脂製、アンボックス方式で高効率生産
Tesla Japanは、ドライバーレスの自動運転車による配車サービス「ロボタクシー」向けに開発した専用車両「サイバーキャブ」を報道陣に公開した。金色が印象的な車両の外板は塗装レスの樹脂製で、従来の組み立てラインと異なるアンボックス方式により高効率で生産している。
Waymoが自動運転AI戦略を解説、「単一AIモデルのE2E方式には2つの問題がある」
米国で自動運転車によるモビリティサービスを展開するWaymo(ウェイモ)が、2009年スタートの「Google Self-Driving Car Project」から開発を積み重ねてきた自動運転技術に基づく同社のAI戦略について説明した。
ティアフォーとAstemo、自動運転向けAI開発基盤を共同構築
ティアフォーはAstemoと、自動運転向けAI開発基盤の共同開発で合意した。E2E型自動運転AIの継続的な開発/改善を可能にするプラットフォームを構築し、2030年頃の実用化を目指す。
NVIDIA、自動運転車向けオープンAIモデル「Alpamayo 2 Super」を商用利用可能に
NVIDIAは、自動運転車向けオープンAIモデル「Alpamayo 2 Super」の商用利用を可能にし、自動車メーカーやサプライヤーが独自データを用いた開発や展開を行える環境を整えた。
ローカル5Gを活用した自動運転実証試験を宮古島で実施
ジャパンインテグレーションら6社から成る宮古島デジタル観光コンソーシアムは、沖縄県宮古島で自動運転送迎サービスを実証した。自営5GやMEC、Autowareを活用し、観光客と地域住民の移動課題に対応する技術を検証した。

