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パナソニック エナジーCEOが語る「好調なAIデータセンター向け事業」の強さと展望製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)

パナソニック エナジー 社長執行役員 CEOの只信一生氏が報道陣の合同取材に応じ、2026年6月に開催した「Panasonic Group Investor Day 2026」で発表した、AIデータセンター向けの事業における取り組みの詳細や考えについて説明した。

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日本や北米の既存設備の一部を活用し、供給体制を強化

 パナソニック エナジーがデータセンター向け蓄電システム事業で高成長を実現するための強化施策として供給体制を強化する。日本に加え、北米完結型のサプライチェーン構築を加速し、加速する需要に量(供給量)と質(柔軟性)で対応する。只信氏は「車載拠点を含む既存拠点の有効活用を基本として需要に対応し、需要変動に柔軟に対応できる体制を確立している。柔軟性に対するポイントは、顧客の最大需要地である北米での能力拡充と電源コンポーネントの現地調達強化、日本ではデータセンターの需要に対しセル生産能力を増強する」と説明する。

 パナソニック エナジーの大阪工場(大阪市住之江区)では車載ラインを転用し、2026年4月からデータセンター向けのLIBの出荷を開始している。また、BBUや瞬間的な電力変動を吸収するCBU(Capacitor Bank Unit)といったモジュールの生産能力も増強を進めている。

 北米拠点の1つである米国カンザス工場ではデータセンター向けのラインを導入しており、2028年度から量産を開始する予定だ。メキシコ拠点ではモジュールの組み立て用の新工場の建設を進めており、第2工場が2026年度の第2四半期から、第3工場は2027年度に量産開始を予定している。

 既存の生産ラインをデータセンター向けのラインとして短期間で切り替えられる理由について、只信氏は「ものすごくシンプルにいうとLIBセルが円筒形だからである。電池性能は中の活物質や構造に起因するため、塗工をして活物質を巻いていくプロセスにおいて、円筒形の変化点は使用する化学物質を変える、あるいは巻いている長さを変更/調整するといった形でとどまり、限定的になる」と語る。

 続けて、「われわれが円筒形で対応する理由は、比較的ケミカルが得意な会社であるためだ。電池セル性能の改善をケミカルの技術を生かして行い、既存のラインを有効活用しながらスピーディーに顧客へ届けることができる。設備投資の初期段階では金額が大きくなる可能性があるが、いったん生産ラインを立ち上げてしまえば、柔軟性が高くなるのが円筒形の強みだ。データセンター向け用途の電池セル容量は車載と比べると少ない容量で収まるため、既存生産ラインの一部分を変更するだけで対応ができる」と述べる。


パナソニック エナジーが進める供給体制の整備[クリックで拡大] 出所:パナソニック エナジー

パナソニック エナジーがCBUやスーパーキャパシター開発を推進する理由

 また、パナソニック エナジーは次世代に向けた提案/開発力の強化を進めている。「われわれはシステムとデバイスの進化/総合力で新たなソリューションをタイムリーに提供していく。顧客との強固なパートナーシップをベースにシステム側で密に連携し、機能や仕様を提案するコンサルティングを行いながらデバイスのスペックに落とし込み、業界の中でも先駆けて開発を進めている」(只信氏)。

 大容量が求められる車載用電池とは異なり、データセンター向けの電池では出力パワーが求められる。そのため、パナソニック エナジーは電力ピークを抑制するシステムであるBBUの機構設計とデバイスである電池セルをケミカルの領域で進化させることを目指し、開発を進めている。

 データセンターで重要になる電力負荷変動吸収のデバイスとしてパナソニック インダストリーと連携しながらCBUやスーパーキャパシターの開発を進めており、CBUの第1世代については2026年度中に量産開始を予定している。さらにデータセンター全体の電力効率化を可能にするHVDC(直流高電圧)対応BBUも同年度中に量産準備を完了する予定だ。


パナソニック エナジーのソリューション開発ロードマップ[クリックで拡大] 出所:パナソニック エナジー

 スーパーキャパシターに着目し、パナソニック インダストリーと連携した理由について、只信氏は「顧客から出てくる高電圧化や半導体に関する要求の変化に対し、BBUだけでは安定性に欠けることを以前から理解しており、これに原理的に対応できるソリューションとしてキャパシターの特性を持った製品を追加する必要があるという結論を数年前に出した。CBUの開発に当たり、日々激しく変化する開発環境に素早く柔軟に対応するためにはパナソニックグループ内での連携が必要だと考え、パナソニック インダストリーとの共同開発に至った。今後も、例えば排熱の課題が出ればパナソニックが持つヒートポンプの技術を活用するなど、パナソニックグループの総合力を生かして顧客に提供できるようにしていきたい」と述べた。

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