検索
ニュース

日本TCSは「IT主権」と「AI主権」の確立を支援 5つの柱で社内外の業務変革を推進製造ITニュース(2/2 ページ)

タタ コンサルタンシー サービシズ(TCS)の日本法人である日本タタ コンサルタンシー サービシズ(日本TCS)は、同社が2024年に掲げた事業戦略「3×3戦略」の現在地や日本におけるAI活用の課題、顧客支援や自社変革に向けた取り組みについて説明した。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

日本TCSは5つの柱で自社変革を推進

 日本TCSは自社内でAX(AIトランスフォーメーション)を進めており、「AIファーストな組織」「AIネイティブなサービス」「AI-readyな人材」「AI導入を実現するデリバリー」「AIパートナーエコシステム」の5つの柱を掲げ、変革を実施している。

 AIファーストの側面では、AI CoEやTCS AI Studioに加え、AIがあることを前提として全ての業務プロセスを組み立て直し、マインドセットの変革を進めている。同社では、さまざまな最新AIに自由にアクセスし、セキュアな環境で独自のAIエージェントを自ら開発して業務効率化を図れるプラットフォームを整備しており、従業員はこれを活用できる。また、毎週金曜日の午後には社内コミュニティーの活性化を目的として、業務に役立つプロンプトやエージェントを創出したチームを表彰する「TCS AI Friday」という社内ハッカソンイベントを開催している。

AIファーストカルチャー醸成に向けた取り組み
AIファーストカルチャー醸成に向けた取り組み[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 AIネイティブなサービスの側面では、アプリケーション保守やインフラ運用など日本TCSが展開する全てのITサービスをAI前提で再定義している。新しい要件が既存システムにどのような影響を与えるのか、どの機能が標準機能でカバーできるのか、どこにアドオンが必要なのかをAIを活用して自動分析する独自ソリューションを開発し、業務に適用している。また、AIによってモダナイゼーションや業務変革を進めるサービスを提供している。

オファリングの刷新
オファリングの刷新[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 AI-readyな人材の側面では、システムをどのように作るのかという要件定義や仕様を正確にスペックとして落とし込むことができる上流のスキルを持った人材が重要となる。日本TCSはこの人材を「AIネイティブコンサルタント」と定義し、現場の課題を発見してAIをどう組み込むべきかを構想できる人材を大量に育成している。また、AIエージェントをセキュアに、かつトークン消費(コスト)を極限まで抑えながら、適切なデータをフィードして動かす「プラットフォームアーキテクチャ」を設計できる「AIネイティブエンジニア」の育成も並行して進めている。

 森氏は「人月ビジネスのように、1人の人間に全てを詰め込むモデルは目指していない。われわれはエンジニアとコンサルタント、そして彼らを強力にエンパワーするAIエージェントによる『3者協働モデル』を追求しており、これに最適化した教育体系の構築を進めている」と強調する。

AI-readyな人材変革戦略
AI-readyな人材変革戦略[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 AI導入を実現するデリバリーの側面では、日本TCSは従来のシステム構築全てを丸投げするブラックボックス型アウトソーシングの構造を壊すことを狙っている。同社はAIネイティブコンサルタントと顧客がやりたいことを日々議論し、それをMarkdown形式などのプロンプトとして整理してAIに投入し、翌日にはプロトタイプを確認する。そして、ユーザーが直したいと思った部分をアジャイルに修正するCo-Creation(共創)モデルへのシフトを目指している。

 「われわれは、優れたAIモデルを提供するだけでなく、『コアシステム』『データ基盤』『セマンティック層(ナレッジグラフ)』という3つを統合的に整備して顧客に提案し、『エージェンティックAIエンタープライズ』を作る企業を目指している。アーキテクチャの部分は当然一足飛びにはいかないため、われわれはAI活用ロードマップ(レベル1〜5)を定義し、現在レベル1(ツールとしての限定的利用)にとどまっている多くの顧客に対して、段階的に自律型エンタープライズへと進化するロードマップを提示し、議論を進めている」(森氏)

Human+AIサービスの自律化モデルの詳細
Human+AIサービスの自律化モデルの詳細[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 AIパートナーエコシステムの側面では、人材採用を重視し、M&Aを行わないオーガニックな成長を旨とする従来の方針から、AIの進化スピードに対応するために、自前での構築に加え、グローバルなアライアンスや出資を積極的に進めている。NVIDIAやOpenAI、Anthropicといった主要なAIビッグテックと深く連携し、自社の主権は守りつつ、適宜パートナーの最先端技術を柔軟に取り入れているという。

AIパートナーエコシステムの詳細
AIパートナーエコシステムの詳細[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 森氏は「インドのベンダーはとにかく安い人手を大量に供給して成長するだけという古いイメージを持たれがちだが、われわれはここから大きく脱却しようとしている。AIエージェントの力を活用して、顧客にサービスと付加価値を提供するという戦略に切り替えている」と述べた。

⇒その他の「製造ITニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る