量子コンピュータを用いた電池材料のシミュレーション基盤を開発:研究開発の最前線
Quemixが提案した「量子コンピュータを用いた材料シミュレーション基盤の開発とその電池材料への実証」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助事業に採択された。東北大学と連携し、量子コンピュータを活用したソフトウェア開発に取り組む。
Quemixは2026年7月29日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業に「量子コンピュータを用いた材料シミュレーション基盤の開発とその電池材料への実証」が採択されたと発表した。東北大学を共同研究先として実施する。
同社は、NEDOの補助事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速)」における「ユースケース創出に向けた大型実証」に同実証を提案。審査を経て、実施予定先として採択された。
同実証では、量子コンピュータを活用した「量子計算ソルバー」と「量子コンピュータによる計算実行基盤」を開発する。東北大学と連携し、3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」による実測データとの比較検証を通じて、量子計算ソルバーの有効性を実証する計画だ。
実証で得られた量子計算ソルバーや量子コンピュータの利用技術は、今後同社が提供するクラウド型材料計算プラットフォーム「Quloud(キュラウド)」上に実装する。国内外の企業や研究機関が利用できる「次世代材料開発基盤」として、社会実装を目指す。
蓄電池材料中の電子状態や化学結合は、量子多体系の問題とされ、従来のコンピュータによる計算では実材料の複雑性を十分に取り込めないという課題があった。そのため、材料の劣化機構の解明や革新的な素材設計には、量子コンピュータの活用が不可欠となる。
両者は今回の取り組みで、電池材料をシミュレーション対象とした量子コンピュータのソフトウェア開発とその有効性の実証を進める。これを通じて、量子コンピュータの産業化や日本の国際競争力の向上に貢献するとしている。
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