建造から約40年でも新技術に対応、カナダ沿岸警備隊船「ローリエ」の操舵室:イマドキのフナデジ!(17)(2/3 ページ)
「船」や「港湾施設」を主役として、それらに採用されているデジタル技術にも焦点を当てて展開する本連載。第17回は、カナダ沿岸警備隊船「サー・ウィルフリッド・ローリエ」を取り上げる。
船齢約40年で更新を重ねた操舵システムをチェックする
操舵室を左舷側から右舷方向に見渡すと、ローリエの操舵室は、前方中央、左右両舷のウイング部、中央部後列、左右舷側後列にコンソール群を配置した構成であることが把握できる。各区画の間には乗組員が移動できる通路を確保し、前後左右の操作位置へアクセスしやすくしている。両舷ウイング部では、離着岸操船に必要な船首方向、舷側、船尾方向の視界を確保し、岸壁と船体の位置関係を直接確認できる。
左舷側から右舷方向を見た操舵室。前方中央、両舷ウイング部、中央後列、左右舷側後列にコンソール群を配置し、区画間には通路を確保する。正面からウイング後方まで窓を設け、離着岸時に船首、舷側、船尾方向を見渡せる構成だ[クリックで拡大]
操舵室最前列中央部は、通常航海時の操船と航海当直を担う主操船区画だ。中央には操舵手または当直員用のシートを用意し、その周囲を左右と前方のコンソールが囲む。シートからは船首と前部作業甲板、その先の海面を直接見渡せるため、自船の進行方向や船首付近の状況を目視しながら、操舵、推進、航海監視に関わる各操作系を扱える。左舷側の隣接位置には船長用シートもあり、船長が操船者の作業を妨げずに、同じ前方視界と計器情報を共有できる。
前部中央コンソールの中心には操舵輪を置き、その上に船首方位を示すジャイロコンパスのレピーターを配置する。右側には、操舵命令と実際の舵角をそれぞれ示す舵角指示器、さらに船底下の水深を表示する音響測深機が並ぶ。左側には、手動操舵や自動操舵などの操舵モードを選択して挙動を監視する操作盤をまとめている。操舵手は前方を目視しながら、指示された針路、舵の応答、水深を同じ位置で確認し、通常航海や狭水道での操船を行える。
前部中央コンソール群の右舷側は、主推進装置と自動/非常操舵に関する操作系をまとめた。上段には左右舷推進系の回転数や運転状態を示す計器、中央には監視/設定用の画面、下段には左右舷の推進装置を個別に扱う操作レバーと出力表示を配置する。左側には自動操舵装置、探照灯操作盤、非常時に舵を直接動かすジョグレバーが並ぶ。通常航海時の推進監視から、操舵系統の異常時対応までを同じ場所で行える構成といえる。
前部中央コンソール群の左舷側は、船内通信、非常警報、航海灯監視、方位測定に関する装置をまとめた区画だ。左側には複数の送受話器、船内電話/インターフォンの操作盤、回線選択盤が並び、機関室をはじめとする船内各部署との連絡に使う。
左右両舷のウイングには、離着岸時に船側や岸壁、船首/船尾方向を直接確認しながら操船するためのコンソールを備えている。主推進装置については、左右舷系統の回転数や負荷などを示す計器と状態表示、前後進や出力を指令する操作レバーを配置する。操舵系には操舵レバーや操舵モード選択部があり、前部中央の主操船区画へ戻らなくても、ウイングから船体の動きを調整できる。
この他、操舵機関系の警報、非常停止、急速な前後進切り替えに関する注意表示、船の旋回性能を示す旋回径表なども、操船者が視認しやすい領域にまとめている。キーボードとポインティングデバイスは、上方に設置した電子海図表示などの操作に用い、離着岸中も自船位置や周辺海域を確認できる。
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