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データスペース時代に日本企業はどう備えるか、NTTグループが進める仕組みづくり加速するデータ共有圏と日本へのインパクト(10)(4/5 ページ)

欧州を中心に広がるデータ共有圏の動向と、日本産業への影響を解説する本連載。第10回では、データスペースのグローバルな普及を見据え、日本企業が安全かつ容易に接続できる環境の整備を進めるNTTグループの取り組みを紹介する。

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業界横断で広がるデータスペースのユースケースと未来像

 データスペースの活用は、すでに具体的なプロジェクトとして動き出している。現在、ドイツの自動車メーカーと直接取引するティア1サプライヤーを中心に、Catena-Xへの対応が求められ始めている。新型車両向け部品の供給契約において、Catena-Xの標準に準拠し、さまざまなユースケースに必要なデータを開示することが条件となるケースが出てきたためだ。この波はティア1にとどまらず、ティア2や素材メーカーへと連鎖的に波及していく。

 その他、モビリティ分野における「Japan Mobility Data Space(JMDS)」構想では、商用車の走行経路やタクシーのプローブデータ、渋滞予測データなどを連携し、安全で効率的な道路交通社会の実現やシミュレーターによるデータ分析(デジタルサンドボックス)が進められている。

 また「エネルギーデータスペース」では、工場、データセンター、防災、金融といった異業種のデータを連携し、再生可能エネルギーの導入拡大や地域エネルギーの最適化、カーボンニュートラルの実現に向けたサプライチェーン全体におけるGHG(温室効果ガス)排出量の可視化が目指されている。

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JMDS(Japan Mobility Data Space)の取り組み[クリックで拡大] 出所:JMDS

Catena-Xとの直接接続を進めるオムロンの取り組み

 データスペースへの参画は、もはや概念の実証から現場での実践へとフェーズを移行している。その象徴的な事例が、日本の製造業を牽引(けんいん)するオムロンの取り組みだ。

 オムロンは日本の製造業として初めて(2024年1月時点)、Catena-X標準準拠のコネクターに接続し、製品のサプライチェーン全体にわたるカーボンフットプリント(CFP)の可視化を目指す実証実験を実施した。温室効果ガス(GHG)の排出量算出にとどまらず、現場の生産性や品質を高めながらエネルギーの最適化を図る「エネルギー生産性向上」の実現も目指す。

 さらにオムロンは、NTTドコモビジネスと共同で、Catena-X接続に活用可能な「セキュアデータ連携ソリューション」に向けた連携も開始した。これまで工場内の製造現場(OT)のデータを、外部ネットワーク(IT)や他企業と連携させる際には、セキュリティやデータ主権の確保が大きな壁となっていた。そこで、現場のデータ収集や分析を容易にするオムロンのエッジコントローラー「データフローコントローラー」と、NTTドコモビジネスが提供する通信キャリアならではの強固なセキュリティを備えたNaaS(「docomo business RINK」のWANセキュリティなどのNetwork as a Service)を融合させた。

 これにより、企業はサイバー攻撃の脅威から現場の機器を守りながら、国際標準のデータスペースへとシームレスかつ安全にデータを連携できるようになった。OTとITのプロフェッショナルが手を組んだこのエコシステムは、製造現場からデータスペースまでを安全につなぐ先進的な取り組みの1つだといえる。

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オムロンとNTTドコモビジネスのデータスペース連携のイメージ[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 データ活用には成熟度のステップがあり、まずは社内データの「収集」「整理」「可視化」を進め、次にグループ企業や系列サプライヤーと連携し、最終的に業界全体がデータスペースへ接続するという段階を踏むことが重要だ。このプロセスを、単に顧客の要求に従う受動的な対策と捉えるのではなく「自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を根本から高度化する絶好の機会」と前向きに捉え、早期から準備を進めることが求められる。

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