脱炭素はEVのみならず、いすゞ出光らがバイオ燃料100%のトラック公道実証へ:脱炭素(1/2 ページ)
出光興産、いすゞ自動車、T2の3社は、トラック輸送の脱炭素化に向け2026年夏より連携する。関東と関西間の自動運転トラック商用運行において次世代バイオ燃料「IRD」を濃度100%で試験利用し、給油運用や車両への影響を検証する。
出光興産、T2、いすゞ自動車は2026年7月2日、オンラインで説明会を開き、トラック輸送分野におけるカーボンニュートラルの実現に向け、次世代バイオディーゼル燃料の普及を目的とした連携を開始すると発表した。
関東―関西の500kmで濃度100%、2026年夏に実証開始
2026年夏より、出光興産が次世代バイオディーゼル燃料「出光リニューアブルディーゼル(以下、IRD)」をT2へ供給する。T2は、関東と関西を結ぶ約500kmの高速道路で展開しているレベル2自動運転トラックの商用運行において、IRDを濃度100%の状態で使用する。いすゞ自動車は、軽油利用時と同等のオペレーションで修理とメンテナンスサービスを提供するとともに、車両やエンジンへの影響をモニタリングする。
3社はこの実証を通じて、実際の輸送環境下での給油オペレーションの有効性や長距離走行時の燃料消費動向を確認し、将来的な社会実装に向けたデータを蓄積する構えだ。
大型トラックのEV化は簡単ではない
物流業界では、脱炭素社会の実現に向けてカーボンニュートラルに向けた取り組みが急務となっている。しかし、長距離輸送を担う大型トラックを電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)に置き換えるには、バッテリー重量による積載量の減少や、充電/充填インフラの整備といった課題があるのが実態だ。
こうした電動化が難しい領域の現実的な解決策として注目されているのが、廃食油や植物油などの再生可能な資源から製造される軽油代替燃料のリニューアブルディーゼル(RD)である。
いすゞ自動車 CN技術統括部 部長の足立隆幸氏は、「当社はEVやFCV、そしてRDを含むマルチパスウェイ戦略を掲げている。その中でもRDは、電動化が困難な用途や地域においてもCO2排出量削減に対する即効性があると期待を寄せている」と語った。
リニューアブルディーゼルの取り扱いを拡大する出光興産
このRDの取り扱いを近年拡大しているのが出光興産だ。同社は海外からの輸入時に加え、国内での荷揚げ時にも改めて試験分析を行う品質管理体制を敷いており、国内の軽油JIS規格と揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)の要件を満たしている。
しかし、リニューアブルディーゼルには、トラック輸送の現場に広く普及するために制度面や運用面で、いくつかの乗り越えるべき壁が存在する。
まず挙げられるのが、給油スポットの不足というインフラ課題や、通常の軽油と比較して価格水準が高いというコスト面での障壁だ。運用面においては、新しい燃料を使用することによる車両故障のリスクや、それに伴うメーカー保証が適用の有無などが、運送事業者にとって懸念材料となっている。さらに、地方税法の規定では、不正に軽油引取税を逃れる「脱税軽油」を防止する観点から、IRDと通常の軽油を混ぜて使用することが禁止されている。
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