宇宙空間で3Dプリント、東レ代表のプロジェクトがJAXA宇宙戦略基金に採択:3Dプリンタニュース
東レは、同社を代表機関とするプロジェクト「宇宙空間向け高機能樹脂材料、軌道上での3D積層造形技術の創出」が、JAXAの宇宙戦略基金事業に採択されたと発表した。慶應義塾、アスペクト、エス.ラボと連携し、宇宙環境に適応する高機能樹脂材料と3D積層造形技術の開発に取り組む。
東レは2026年6月19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業(衛星等 第二期)の技術開発テーマ「空間自在利用の実現に向けた技術」において、同社を代表機関とするプロジェクト「宇宙空間向け高機能樹脂材料、軌道上での3D積層造形技術の創出」が採択されたと発表した。期間は、2026年4月から2031年1月までを予定する。
同プロジェクトでは、東レが代表機関を務め、慶應義塾、アスペクト、エス.ラボと連携して研究開発に取り組む。宇宙空間での部品製造に必要な高機能樹脂材料と3D積層造形技術を開発する。真空や温度変動、放射線など、宇宙特有の厳しい環境下でも使用できる高機能樹脂材料と、高品質な3D積層造形技術の創出を目指す。
東レはプロジェクト全体の統括と材料開発を担当する。開発では、造形物の高品質化に寄与する同社の3Dプリンタ用真球パウダー「トレパール」や、高機能樹脂パウダー「トレミル」の技術を基盤に高度化を図る。
慶應義塾は、無重力下での造形制御やロボティクスを組み合わせた精密3D造形技術の研究開発、3D造形物への機能付与に取り組む。アスペクトとエス.ラボは、地上での実績を基に、宇宙環境に適応した3D造形装置を開発する。各機関の専門知見を生かし、3Dプリンタの材料、装置、部品の高機能化を一体で進める。
従来、宇宙構造物は地上で製造してから打ち上げる必要があり、サイズや重量、納期、コストが大きな制約となっていた。近年は小型衛星の大量打ち上げにより部品需要が急速に拡大しており、従来の供給方式では柔軟な対応が難しくなっている。
宇宙空間で直接部品を製造できれば、必要な部品をその場で作るオンデマンド対応が可能となる。小型衛星向けの短納期部品や宇宙ステーション内の補修部品、デブリ衝突から機器を保護するシールドの補修、大型宇宙構造物の構築などへの応用が期待される。
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