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技能継承は3社に2社が苦戦 ものづくり白書が示す製造業の人材危機ものづくり白書2026を読み解く(4)(2/3 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2026年版ものづくり白書」が2026年5月29日に公開された。本連載では「2026年版ものづくり白書」の内容から製造業のDXや競争力などに関するポイントを抜粋して紹介する。今回は、多くの製造業の課題となっている人材確保と技能継承についての内容をまとめた。

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「技能継承」は中小企業は直接作業に期待

 人材の確保に苦しむ中、製造業にとって「技能継承」は大きなテーマとなっている。その中で、技能継承が必要だとされる技術としては「正確/精緻に作業できる技」「最適な加減に作業の内容や状況を調整できるカン/コツ」「加工や作業方法を応用するなど創意工夫ができる力」「トラブルや突発的なことが起きたときに対応できる力」などが上位に挙がった。

 その中で企業規模別に見比べると、従業員300人以上の規模の企業では小さな企業規模の回答と比べて「トラブルや突発的なことが起きた時に対応できる力」や「事故や労働災害を未然に防ぐ力」「継承すべき技能を言語化して人に伝える力」「新しいことを発想できる独創性」「最適な加減に作業の内容や状況を調整できるカン/コツ」などが突出して多い回答となっていた。どちらかというと中小規模の企業では直接作業の技術の継承、大企業では間接業務に関する技術の継承が重視される傾向がうかがえる。

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技能継承が必要と考えているもの[クリックで拡大] 出所:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月)

 これらの技能継承を進めるために取り組んでいることについては、どの従業員規模の企業においても「再雇用や勤務延長などにより高年齢者従業員に継続して勤務してもらう」の割合が最も高くなった。その他では「継承すべき技能の見える化(テキスト化、マニュアル化、デジタル化)を図る」「技能継承の対象となる者を選抜して訓練する」などが比較的高い回答となった。

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技能継承を進めるために取り組んでいること[クリックで拡大] 出所:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月)

技能継承が「うまくいっている」企業はわずか3分の1

 こうした中で、技能継承が「うまくいっている」と回答した企業はわずか1.9%にとどまった。「ややうまくいっている」(31.4%)と合わせても33.3%で、3分の1程度にとどまっている。3分の2は「うまくいっていない」という回答で、難しさをうかがわせた。

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会社として技能継承はうまくいっているか[クリックで拡大] 出所:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月)

 また、将来に向けて技能継承への不安を聞いたところ「不安がある」とした回答は23.7%、「やや不安がある」とした回答は61.8%となり、実に85.5%が将来に向けて不安を抱えているということが分かる。

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将来の技能継承に関する不安[クリックで拡大] 出所:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月)

 この「不安がある」「やや不安がある」とした企業に、将来の技能継承についての不安の理由について聞いたところ、「熟練技能者の高齢化/退職が進んでいる(熟練技能者が不足している)」「若手が採用できない」など、多くの企業が人材確保に関する不安を挙げている。

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将来の技能継承に関する不安の理由[クリックで拡大] 出所:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月)

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