PTCが新製品「Orbit」「Jetstream」を発表、「Creo」「Codebeamer」も機能拡充:製造ITニュース(1/2 ページ)
PTCジャパンは、ユーザーイベント「PTC NEXT Spring 2026」で発表された同社製品のアップデート内容について説明した。
PTCジャパンは2026年6月16日、東京都内で会見を開き、ユーザーイベント「PTC NEXT Spring 2026」(同月9〜10日、米国シカゴ)で発表された同社製品のアップデート内容について説明した。
PTCジャパン 社長執行役員の神谷智信氏は「PTCはさまざまな製品を提供しており、それぞれで機能アップデートを行ってきた。2026年からは、年2回開催のPTC NEXTで、基本的には全ての製品のアップグレードや新機能を発表することになった。AI(人工知能)活用が急速に進むことで、PTCは創業から40年で最大の変革期を迎えているが、製造業の開発者のプロセスをAIによって加速し、自由な創造性を発揮できるようにするため、変革を恐れずに取り組みを進めていく。業界をリードしていく自信がある」と意気込む。
PTCはこれまで、六角形で示される製品ライフサイクルをデータ分析によってつなげてインテリジェント化するIPL(インテリジェント製品ライフサイクル)を事業の方向性として掲げてきた。PTC NEXTにおいてもIPLは基盤となっており、データ分析をAIによって加速し、SaaSとの接続やオープン化によって広がりを創出する方向性に変わりはない。
PTC NEXT Spring 2026では、2つの新製品、10の新しいコネクターと連携機能、1つの新しいAIプラットフォーム、12の新たなAIエージェントとアシスタント、100以上の新機能と機能強化が発表された。会見では、2つの新製品である「PTC Orbit」と「PTC Jetstream」とともに、3D CAD「Creo」の最新バージョン「Creo 13」のAI支援機能、ALM(アプリケーションライフサイクル管理ツール)「Codebeamer」の新機能を紹介した。
新製品その1:アセット管理ソリューション「PTC Orbit」
PTC Orbitは、アフターサービス向けとなるクラウドベースのアセット管理ソリューションである。PLM(製品ライフサイクル管理)やERP、CRM(顧客関係管理)、IoT(モノのインターネット)、EAM(エンタープライズ資産管理)、FSM(フィールドサービス管理)などのシステムから得られるデータを統合し、アフターサービスの対象となる各アセットの状態を単一ビューで表示することができる。
システム構成としては、アセットに関わる上記のシステムからのデータを統合したデータベースを基盤として、AIによって故障パターンやサービス傾向を分析し、アセットの健全性や保守需要を予測するライフサイクルインテリジェンスが重要な役割を果たす。さまざまなシステムのデータを統合するデータベースは巨大であり、データ間に情報の不整合が起こることもあり得るが、AIによってその不整合をただすことで最適な状態を維持できるようになるという。
PTC Orbitには、PTCが創業から40年間蓄積してきた製造業向けツールのデータモデルの知見やノウハウが反映されているということで、正式リリースが期待される大型製品となっている。
新製品その2:エンジニアリングコラボレーション環境「PTC Jetstream」
もう1つの新製品であるPTC Jetstreamは、クラウドベースのエンジニアリングコラボレーション環境である。3D CADやPLMなどには、CADデータの共有などによって製品開発のコラボレーションを可能にする機能が提供されていることが多い。これらとPTC Jetstreamの違いは、既存の3D CADやPLMのライセンスの有無に縛られず、マルチテナントSaaSとして単独利用ができるとともに、2D/3Dの違いや要件、CADデータに依存することなく製品データを安全に共有できる点にある。
システムの中核を担うのは、ビュワーの「Creo View Web」とデータ管理サービスの「Lightweight PDM」である。直感的かつ高速なWebベースの操作性で、可視化/コメント/AIを統合した機能により関係者間の認識をそろえて迅速かつ的確な意思決定を実現し、双方向連携によって意図を捉えて正確な実行とトレーサビリティーの確保が可能になるという。
PTC Jetstream単独の機能だけでなく、PTCの製品やSaaSプラットフォームとの連携も重要な特徴だ。例えば、PTC JetstreamとPLMの「Windchill」を組み合わせると、PTC Jetstreamで実施したレビューや意思決定の記録を基に、Windchillで変更/リリース/作成を実施して早期に再度のレビュー実施につなげることができる。また、これらのワークフロー全般にAIを適用すれば、さらなる開発期間の短縮につなげられる。
なお、PTC Jetstreamは2026年秋に正式リリースされる予定だ。
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