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PLMの会計論:プロダクト損益の難しさモノづくり革新のためのPLMと原価企画(7)(1/2 ページ)

本連載では“品質”と“コスト”を両立したモノづくりを実現するDX戦略を解説する。第7回は、プロダクト損益を導入する際の課題やルール設計の考え方、さらにE-BOMやM-BOM、Cost-BOMとの関係について紹介する。

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 前回までで、プロダクト損益の基本的な考え方や必要性について触れてきた。今回は、もう少し深掘りしたい。

>>連載「モノづくり革新のためのPLMと原価企画」のバックナンバー

 プロダクト損益は、モノづくり企業の本質的なもうけを見える化するデータといえる。ただし、期間損益とは異なり、明確な計算ルールや運用ルールが存在しない。期間損益には原価計算基準や会計基準など、国が定めた明確なルールがあり、それを順守することが求められる。一方で、プロダクト損益にはそのようなルールがない。そのため、まずルール作りから考えなければならない。

 どの単位で損益を作成するのか。費用の対象範囲をどこまでとするのか。複数のプロダクトで共通利用する設備費用をどのように負担させるのか――。このようなルールを定める必要がある。

 このルール作りこそ、自社のビジネスをどのように評価したいのかを示す管理会計戦略そのものであり、評価思想そのものでもある。これこそが社内向け会計の本質であり、管理会計の中核といえる。

 あらためて押さえておきたいのは、期間損益は国が定めるルールに基づいており、そのルールは企業間比較を目的として作られている点である。そこには、事業戦略の意図や固定費回収の考え方といった戦略性や恣意(しい)性が、良い意味でも悪い意味でも排除されている。

 その製品の開発/生産/販売形態は関係ない。10年に1度の社運をかけた新製品開発と、派生的なバリエーション開発の違いも考慮されない。その意味で、期間損益のルールは極めて無機質である。

 もちろん、国の定めたルールを軽視するわけではない。それは絶対に守るべきルールである。しかし同時に、プロダクト損益による評価も進めていくべきだと考える。

 そのためには、原価/会計に対する向き合い方を変えなければならない。これまでの原価/会計は「ルールを守る」ことに重点が置かれており、新たな手法やフレームワークを取り入れて試行錯誤する経験が極端に少なかった。

 しかし、品質管理や納期管理は違う。試行錯誤の連続である。シックスシグマを導入して失敗したり、QFDを試したもののうまくいかなかったりする。FMEA、DRBFM、MBSEなど、さまざまな手法が次々と登場し、その都度試してきたはずだ。

 最終的に定着しないものも多い。しかし、その検討過程でさまざまな考え方を取り入れ、自社製品に合った品質管理のあるべき姿についてのエッセンスは確実に残る。このようにして品質管理は高度化してきた。

 外部が認証するISOを取得し、それを順守すれば社内の品質管理が十分にできるかというと、そうではない。外部認証の品質管理と社内の品質管理は別物である。面倒ではあるが、両方を運用しているのが実態だ。

 原価/会計においても同じである。外部報告のための会計と社内管理のための会計は別物という認識で、試行錯誤してきただろうか。

 自社のビジネスを適切に評価するための原価管理や管理会計は、どのようにあるべきなのか。それはROEやROICなどの指標を試行錯誤することではない。それらは、あくまでも国のルールで計算された数値体系の中での議論にすぎない。

 そもそも原価費目の在り方や計算方法そのものから試行錯誤する必要があるのだ。

プロダクト損益
図1 プロダクト損益[クリックで拡大]

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