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E-Scrapの海外流出を防げ! NTTと三菱マテリアルがタッグで挑むリサイクルニュース(1/2 ページ)

国内のE-Scrapリサイクル率はわずか約23%。この課題を解決すべく、NTTと三菱マテリアルが新会社を設立する。NTTの情報流通基盤と三菱マテリアルの製錬技術を掛け合わせて、実現する同社の事業とは――。

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 NTTと三菱マテリアルは2026年6月3日、東京都内とオンラインで記者会見を開催し、再生材の利用拡大と資源循環の推進を目指し、再生材の供給と、その由来や配分、環境負荷などに関する情報(以下、特性情報)の伝達を一体で進める新会社「NTTサーキュラスト株式会社」を同年7月1日に設立すると発表した。

国内におけるE-Scrapのリサイクル率は約23%

 使用済みIT機器や通信設備には、銅をはじめとする有用な金属資源が含まれており、これまでも回収/リサイクルが進められてきた。しかし、回収、再資源化、製造、販売に関わる各工程において、再生材の特性情報の整理や共有は十分に行われておらず、製品メーカーなどが再生材の利用状況や持続可能性に関する内容を適切に説明することが難しい現状がある。

銅需給の構造変化
銅需給の構造変化[クリックで拡大] 出所:NTT
NTT 執行役員の爪長美菜子氏
NTT 執行役員の爪長美菜子氏 出所:NTT

 また、近年は資源循環や環境負荷低減への関心が高まっており、製造業を中心に再生材利用の重要性が一層増している。加えて、サプライチェーン全体での環境対応が求められる中、製品に使用される再生材の特性情報について、企業間で適切に共有/伝達できる仕組みの重要性が高まっている。

 こうした動きは政策面でも加速している。2026年4月に公表された政府の「循環経済行動計画」では、再生資源供給サプライチェーンの強靱化が重要課題とされ、2030年時点で国内生産される銅の約3割を、有価金属を高濃度に含有する電子機器類の廃基板「E-Scrap」や銅スクラップなどの再生資源由来とする目標が示されている。

 NTT 執行役員の爪長美菜子氏は「国内におけるE-Scrapのリサイクル率は約23%にとどまっており、多くが海外に流出している。銅の獲得競争激化や価格高騰といった地政学リスクが高まる中、再生材に『信頼』という付加価値を付けることで、国内での資源循環エコシステムを確立し、日本の資源安全保障に貢献する」と話す。

再生銅市場の課題
再生銅市場の課題[クリックで拡大] 出所:NTT

 同計画では、再生材需要/市場の形成や、製造業と資源循環産業の間での情報連携の重要性が示されており、再生材の質と量の確保とともに、その利用を促進する仕組みの整備が求められている。「当社が注目したのは銅だ。現在、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー、データセンターの拡大などを背景に、銅の需要は世界的に大きく伸長している。一方、日本は原料となる銅精鉱を100%輸入に頼っているという状況だ。そして、銅などの重要鉱物を各国が囲い込む動きも強まっている」(爪長氏)。

 こうした背景のもと、再生材の利活用を持続的な市場形成につなげるためには、再生材の安定供給に加え、その特性情報をサプライチェーン内で適切に伝達し、製品メーカーなどがその利用状況を説明できる状態を整えることが重要だ。

 使用済みのIT機器や通信設備を排出する企業に対しても、回収された資源がどのように活用されているかを把握できるようにすることで、資源循環への参加意義の可視化につなげていくことが必要となっている。

 そこで両社は、これらの課題認識のもと、再生材の供給とその特性情報の伝達を一体で推進する新会社を設立する。

 爪長氏は「NTTには2つの大きな強みがある。1つ目は、多量のネットワーク機器やPCなどを排出しており、循環の起点となり得る点だ。NTTグループは、年間約47万トン(t)の排出物を管理しており、この排出物を起点に回収/再資源化の仕組みを構築できると考えている。2つ目は、業界横断の情報流通基盤を構築し、運用した実績がある点だ。例えば、NTTデータでは、バッテリートレーサビリティープラットフォームなどを提供している。これまで培ってきた知見を生かして、再生材の情報を企業間で伝達する仕組みを実装できるとみている」と強調した。

 なお、近年においてマスバランス方式(再生材の割当管理)や国際的なガイドラインの整備が進み、再生材の価値を適切に証明できる環境が整ったことが、NTTサーキュラストを設立する後押しになったという。

なぜNTTがこの課題を担うのか
なぜNTTがこの課題を担うのか[クリックで拡大] 出所:NTT

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