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自動化時代だから問われる手はんだ技能と、国際規格の戦略的活用第2回 関西ネプコンジャパン(1/2 ページ)

本稿では、「第2回 関西ネプコンジャパン」の会場で実施された、世界基準の技術を競う「2026 IPC手はんだ付けリワークコンテスト日本大会」の模様を軸に「はんだ最前線!国際標準を活用した品質確保」セミナーを通じて、国際標準化団体GEA(旧 IPC)の新たな動き、そして日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車と東海理化による、国際規格を活用した品質向上戦略の詳報をお届けする。

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自動化時代に問われる“人にしかできない技術”の価値

 「第2回 関西ネプコンジャパン」(2026年5月13日〜15日、インテックス大阪)の会場内でひときわ熱い視線を集めていたのが、電子機器製造分野の国際標準化団体GEA(グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション:旧 IPC)が主催した「2026 IPC手はんだ付けリワークコンテスト日本大会」だ。国内企業の予選を勝ち抜いた32人の高技能技術者が集結し、電子基板の手はんだ付けリワークの技能を競い合った。

 この競技の最大の特徴は、単にはんだ付けの美しさを競うのではなく、国際標準規格である「IPC-A-610(外観品質基準)」「IPC J-STD-001(工程要求事項)」「IPC-7711/21(リワーク・リペア手順)」に基づいた「正確なプロセス」が厳格に評価される点にある。

手はんだ付け技術を競う「2026 IPC手はんだ付けリワークコンテスト日本大会」の模様
手はんだ付け技術を競う「2026 IPC手はんだ付けリワークコンテスト日本大会」の模様[クリックで拡大]

 制限時間45分の中で、実装済み部品の取り外しから再実装、通電試験による正常動作の復元までが求められ、作業姿勢や静電気対策、工具の適切な使用に至るまで、2人の審判が背後から一挙手一投足を審査する。

審判が一挙手一投足を審査する
審判が一挙手一投足を審査する[クリックで拡大]
多くの来場者が出場者の技能に注目していた
多くの来場者が出場者の技能に注目していた[クリックで拡大]

 製造現場の自動化が進む現代において、なぜこれほどまでに「手作業」の技能が重視されるのか。

 それは、自動機では対応困難な微細な修正や、試作開発、あるいは高度な信頼性が求められる車載、航空宇宙分野のリペアにおいて、最終的に品質を保証するのは「規格を正しく理解し、体現できる人間の技能」に他ならないからだ。

 本大会で優勝した藤枝裕之氏(日立ビルシステム)は、日本代表として2026年11月にドイツで開催される世界大会への切符を手にした。

時間内に課題をクリアできない選手もいる中、部品実装を終えLEDが全て光ると観客から拍手が起こった。
時間内に課題をクリアできない選手もいる中、部品実装を終えLEDが全て光ると観客から拍手が起こった[クリックで拡大]
優勝した日立ビルシステムの藤枝裕之氏
優勝した日立ビルシステムの藤枝裕之氏 出所:グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション

IPCからGEAへ、名称変更が示す「電子産業全体」への拡大

 コンテストの盛り上がりとともに、大きな注目を集めたのが団体の名称変更である。長年「IPC」として親しまれてきたこの団体は、2025年6月より「GEA(Global Electronics Association)」へと名称を改めた。

GEA ディレクターの河野友作氏
GEA ディレクターの河野友作氏

 1957年に「Institute of Printed Circuits(プリント回路協会)」として発足した同団体だが、現在では設計、基板製造、実装、さらにはリサイクルに至るまで、電子機器のライフサイクル全体を網羅する規格を策定している。今回の名称変更は、文字通り「電子産業全体を支えるグローバルな団体」としてのアイデンティティーを明確にしたものだ。

 ただし、現場の混乱を避けるため、「IPC-A-610」や「J-STD-001」といった個別の規格名称は、引き続き「IPC規格」として維持される。ユーザーにとってはなじみのある呼称を保ちつつ、組織としてはより広範な電子化社会の課題解決に取り組む姿勢を鮮明にした形だ。

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