テクノロジーを支える電子機器製造、日本企業も標準化活動に参加を:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
国際標準団体IPCを前身とするグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションは東京都内でプレスセミナーを開き、標準化活動への参加を呼び掛けた。
国際標準団体IPCを前身とするグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションは2025年9月29日、東京都内でプレスセミナーを開いた。
IPCは電子機器製造における設計や材料、基板、実装などの品質管理の標準規格を策定してきた。電子機器の信頼性がAI(人工知能)や自動運転技術、次世代通信のように、各国政府も重視する幅広い分野を支えていることを踏まえて名称を変更した。政府や産業界とのパートナーシップ強化、新規投資やイノベーションの促進、サプライチェーンの強靱化などを推進していく。
ただ、IPC時代も含めて、日本企業の参加率は1%程度で推移している。グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション 社長兼CEOのジョン・W・ミッチェル氏は「日本はエレクトロニクスにおいて長い歴史があり、素晴らしいブランドを築いてきた。われわれは企業ベースの活動が主だ。日本がマーケットプレゼンスを今後も強化していく上でも、ぜひ多くの企業に参加してもらいたい」と加入を呼びかけた。
エレクトロニクス産業は6兆ドル規模
グローバル・エレクトロニクス・アソシエーションによると、エレクトロニクス産業の市場規模はAI、ヘルスケア、エネルギー、輸送など幅広い分野に関わるため6兆ドルに上る。
その一方で関税や地政学リスク、材料費や人件費の高騰、電子廃棄物の増加と資源の消失といった課題もある。サプライチェーンの強靱化や人材育成、資源循環などの取り組みが求められている。
そこで、産業の発展に向けてグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションでは以下の3つに新たに取り組む。
- 政府関係者と産業界をつなぎ、声を届ける協調体制の確立
- 意思決定を支える質の高いツールやレポートを提供するためのデータ収集と分析
- 他の産業や政府にエレクトロニクス産業の重要性について理解を深めてもらうためのコミュニケーション促進
70以上の国と数千社の企業がグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションの標準化活動に参加している。標準規格を議論するだけでなく、新しい市場の開拓やサプライヤーとの連携、人材開発のトレーニングなどもグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションに参加するメリットだとしている。トレーニングは、工場の作業者からエンジニア向けまでさまざまなコースを用意しているという。年間15万人が受けており、一部は日本でも参加できる。
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