AI検査の導入と拡張を迅速化する協働型AIビジョン開発環境を一般提供:製造現場向けAI技術
Cognex(コグネックス)は、製造業におけるAI検査の導入と拡張を迅速化する協働型AIビジョン開発環境「OneVision」の一般提供を開始した。世界で100以上の企業が導入し、拡張コストを最大50%削減するなどの成果を上げている。
Cognex(コグネックス)は2026年5月13日(現地時間)、製造業務におけるAI(人工知能)検査の導入と拡張を迅速化する協働型AIビジョン開発環境「OneVision」の一般提供を開始したと発表した。
2025年6月にβ版が公開されたOneVisionは、その後、世界の100社以上の企業が導入し、拡張コストを最大50%削減するなどの成果を上げている。最新のビジョンシステムである「In-Sight 3900」や「In-Sight 6900」向けに最適化されており、グローバルな生産ネットワーク全体において、運用効率を向上する。
OneVisionは、クラウドでAIモデルのトレーニングや管理をしつつ、実際の検査はエッジデバイス上で実行する「クラウドツーエッジアーキテクチャ」を採用している。これにより、本番画像はローカルに保持され、クラウドへの常時接続なしでリアルタイムかつ低遅延な検査が可能だ。開発面では、画像の収集からラベリング、モデルの改良までを一元管理でき、数カ月を要していた複数拠点への展開を数日に短縮できる。
また、OneVisionは製造業者が個別のAIパイロット運用から脱却し、全社的な検査戦略へと移行することを支援する。一貫性のあるバージョン管理と迅速なアップデート展開が可能になるため、自動車、エレクトロニクス、食品および飲料、ヘルスケアといった幅広い業界において、AIビジョンの活用を加速させる。
導入効果として、拠点間での検査プロセスの標準化や、チーム間での作業重複の削減が挙げられる。実際の導入例では、シーリング検査アプリケーションの開発期間を1年以上から1日未満に短縮した事例や、高度な専門知識への依存を低減しつつ、判定ミスを大幅に減らし、歩留まりを2倍に向上させた事例が報告されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
製造/物流現場のバーコード読み取り、90%がAIによる改善に期待
コグネックスは、調査レポート「Industrial Barcode Reading Survey Report」を公開した。バーコードの読み取りが困難といった課題がある場合、AIを導入して精度や使いやすさ、デコード率などの向上に期待するユーザーが90%を占めることが分かった。
協働ロボットの導入時における注意点〜“半完成品”の扱い方
本連載では、自動化に初めて取り組む中堅中小企業の製造現場向けに協働ロボット、外観検査機器、無人搬送機にフォーカスして、自動化を成功させるための導入前(準備)、導入時(立ち上げ)、導入後(運用)におけるポイントを解説する。今回は、協働ロボットの選び方や導入時の留意点を解説する。
高速ラインでの高精度な検査を可能にする、組み込みAIビジョンシステム
Cognexは、Qualcomm Dragonwingプラットフォームを搭載した完全統合型ビジョンシステム「In-Sight 3900」を発表した。従来のシステムでは困難だった、高速ラインでの高精度な検査が可能だ。
外観検査機器の導入時の注意点〜何ができるのか、できないのか
本連載では、自動化に初めて取り組む中堅中小企業の製造現場向けに協働ロボット、外観検査機器、無人搬送機にフォーカスして、自動化を成功させるための導入前(準備)、導入時(立ち上げ)、導入後(運用)におけるポイントを解説する。今回は、外観検査機器について触れる。
「2027年にヒト3割、ロボット7割」モノづくり企業花王が描くスマート工場
「ファクトリーイノベーションWeeK2026」の最終日に、花王が「花王のスマートファクトリー実現に向けた現状と課題」と題した特別講演を実施。自動化から自律化へのカギとなる統合制御などについて語った。
