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中小FPGAベンダー盛衰記――QuickLogicからSilicon BlueそしてまたLatticeへプログラマブルロジック本紀(11)(2/3 ページ)

FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第11回は、前回に引き続いて経営危機に陥ったLattice Semiconductorの話をするが、その前に少し寄り道をして、中小FPGAベンダーであるQuickLogicとSilicon Blueのことを取り上げる。

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QuickLogicの創業メンバー3人がSilicon Blueに合流

 1994年にはNS(National Semiconductor)でASICおよびAdvanced Network事業を率いていたE.Thomas Hart氏をCEOとして招聘(しょうへい)。最終的にHart氏は2009年までCEO、2014年まで取締役会会長を務め、2019年に非常勤会長のまま逝去している。このHart氏の下で、QuickLogicは1999年10月にIPO(新規株式公開)を果たしている。

 ただし、アンチヒューズ製品は(メリットがあることは事実ながら)使いにくい場面が増えてきたことで、SRAMベースのFPGAの開発にかじを切ることになる(その前に、eFPGA+MCUという製品をリリースしたりしたが、ちょっと時期が早すぎたのかあまり流行らなかった)。SRAMベースの最初の製品は2005年にPolarProとしてアナウンスされ、その後PolarPro 2/3がリリースされることになる。またこのPolarProをベースにディスプレイ周りに特化したArcticLinkという製品を投入するなどラインアップの多角化も図るが、2016年に最初のeFPGA(embedded FPGA) IPを発表し、以後はこちらが主力製品になっていく。

 さて、QuickLogicの話はこの程度でいいだろう。一番話したかったのは3人の創業メンバーのことである。連載第2回でも触れたが、3人ともQuickLogicのIPOに伴い、それなりの金額を手にした。Birkner氏は以下のようにコメントしている。

And we rose to 50 million in sales, and we did an IPO in 2001 and stock market crashed. But we made a little money, and got to live in Woodside.

2000年には5000万米ドルを売り上げ、2001年にはIPOも果たした。株式市場はその後暴落したけど、それでも多少の金額が残ったのでWoodsideに住むことができている。

 同氏はIPOを2001年としているが、QuickLogicは1999年10月に最初のIPOを行い、2000年4月に追加公募を行っているので、これは同氏の勘違い(株価が暴落したのが2001年である)と思われる。Woodsideというのはシリコンバレーのちょっと北西(最近はこの辺もシリコンバレーの一部と見なされているのかもしれない)にある法人化された町で、そこそこの高級住宅地(2020年の国勢調査で住宅価格の中央値は500万米ドル、世帯収入の中央値は25万米ドル超)である。まぁ大金持ちとはいえないまでもそこそこの小金持ちになったわけだ。

 そうしたこともあってか、まずBirkner氏が2002年にQuickLogicを離脱する。その後Birkner氏はKapil Shankar氏に誘われて2006年にSilicon Blueの創業に付き合うことになり、すぐにChua氏とChan氏も合流した。

 実はShankar氏は、もともとXilinxでSpartanの製品ラインを3億米ドルの売り上げに引き上げるという、マネジャーとしての大成功を収めていた。その手腕を見込んだベンチャーキャピタルが、Kilopass Technologyという2001年に創業した企業のかじ取りを任せた格好だ。

 Kilopass Technologyは標準的なCMOSプロセスの上にNVM(Non-Volatile Memory)を構築するという技術を持ち合わせており、Shankar氏がXilinxから移った直後はASIC向けのメモリを提供するというビジネスを行っていた。しかしShankar氏は、この技術はASICよりもむしろFPGAに適していると判断して同社のNVM部門を分離させ、これをSilicon BlueとしてFPGA企業に仕立て上げた。ちなみに、Kilopass Technologyはその後もさまざまなOTP MemoryやNVM MemoryをIPの形で提供するビジネスを継続したが2018年にSynopsysに買収されている。

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