2028年には1ラック当たり1MWの発熱量に!? AI時代におけるデータセンター動向とは:製造ITニュース(1/2 ページ)
Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は東京都内でメディア向け説明会を開催し、AIデータセンターに求められる技術と同社における事業取り組みについて紹介した。
Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2026年5月25日、東京都内でメディア向け説明会を開催し、AI(人工知能)データセンターに求められる技術と同社における事業取り組みについて紹介した。
ラックの高密度化と電力インフラの限界
2026年3月に開催されたNVIDIAのユーザーイベント「GTC(GPU Technology Conference) 2026」(会期:同年3月16〜19日)では、AIソリューションやサービスをアクティベート可能な「AIファクトリー」という概念が強調され、この動向に注目が集まっている。シュナイダーエレクトリック クラウド&サービスプロバイダー事業部 キーアカウントマネージャーの須田拓真氏は「昨今のGTCはデータセンター向けの色合いも強くなっている。今後は、顧客に合わせてデータセンターを貸す状態から、AIサービスをアクティベートするデータセンターがトレンドになっていく」と語る。
シュナイダーエレクトリックはエネルギーマネジメント事業と産業オートメーション事業を主軸とし、データセンター向けに電気や空調ソリューションを提供している。2024年には、液冷技術に強みを持つ米国の冷却設備メーカーMotivairを買収するなど、製品ポートフォリオを強化している。
今後のインフラ設計のポイントは「ラックの高密度化」「冷却」「Digitalization(デジタライゼーション)」の3点だ。NVIDIAのGPUサーバは発熱量が急激に増加しており、2022年には1ラック当たり25KWだったものが、2026年に1ラック当たり200KWとなり、2028年には1ラック当たり1MWに到達すると予測されている。
だが、既存の電源アーキテクチャでは、1ラック当たり1MWの電力を供給するために32本の太いケーブルを用意し、ラックの中に実装する必要がある。そのため、物理的なスペースの制約から実装が不可能といわれている。この解決策として、800Vを直流で送るシステムや交流を強制的に直流に変換してサーバに供給するシステムなど、アーキテクチャ自体の見直しが必要になる。
須田氏は、「シュナイダーエレクトリックでは直流で高めの電圧を求める顧客に対して、交流をすぐに直流に変換できるサイドカーを設置して送電可能な『UPSシステム』を検討している」と述べる。
また、800Vの直流給電の実現は、日本の法律では難しいといわれている。現状だと直流750V以上は高圧扱いとなり、電気主任技術者の資格を持った作業者が必要となる。そのため、高電圧のデータセンター導入のボトルネックになる可能性が高く、将来に向けて法規制や安全担保の議論を重ねることが重要となるという。
須田氏は、「800Vや750Vは危険な電圧帯となるため、作業者のリスクをしっかりと考えた上で、法改正を求めていかないと普及はしていかない」と分析する。
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