ホンダはHEVで四輪事業を再構築、中国勢に対抗する「トリプルハーフ」とは何か:製造マネジメントニュース(2/4 ページ)
ホンダが電動化戦略の見直しを具体化した「2026 ビジネスアップデート」について説明。2040年度に四輪車販売比率をEVとFCVで100%にするという目標を撤回し、2030年度まではHEVを中核に四輪事業を再構築する方針である。中国をはじめとする新興メーカーの開発スピードに対抗するための「トリプルハーフ」の実現などモノづくりも強化する。
次世代ハイブリッドシステムは燃費を10%向上しコストも30%以上低減
四輪事業の回復に向けた取り組みは「経営資源の戦略的再配分」「ものづくり体質の徹底強化」「外部リソースの戦略的活用」を3本柱として進める。
「経営資源の戦略的再配分」は「需要動向を見据えたパワートレインポートフォリオの見直し」と「重点地域への商品ラインアップの拡充」から構成される。
四輪事業の開発/生産リソースは、北米を中心に足元の需要が高いHEVに再配分する。従来の電動化戦略におけるHEV投入計画から前倒し、2027年からハイブリッドシステムとプラットフォームを刷新した次世代HEVの投入を始める。注力地域の一つである北米を中心に、2029年度までにグローバルで15モデルを投入する計画だ。
次世代ハイブリッドシステムは、エンジンの高効率エリアを拡大するとともにハイブリッドユニットの駆動効率を向上して世界最高効率のパワートレインの実現を目指す。現行の「アコード」に搭載する「第4世代e:HEV」と比べて、燃費性能を10%以上向上するとともにコストも30%以上低減するとしている。会見では、2年以内に投入予定の次世代HEVのプロトタイプ「Honda Hybrid Sedan Prototype」と「Acura Hybrid SUV Prototype」を披露した。
北米市場では、2029年にDセグメント以上の大型HEVを投入する。これまで、ホンダの大型車の主力であるSUVの「パイロット」や「パスポート」はHEVの設定がなかったが、新開発のV6エンジンやドライブユニット、バッテリーパックを組み合わせたハイブリッドシステムを開発する。「パワフルな走行とけん引性能を重視する」(三部氏)という。
また、北米の生産についてはHEVを中心とする体制に再構築する。まず、米国オハイオ州の完成車工場は余剰能力を全てICEとHEVに充てる。HEV用バッテリーについても、100%ホンダ傘下となった、LGエナジーソリューションとの合弁で設立したL-HバッテリーのEV用バッテリーラインをHEV用に転用する。L-HバッテリーにおけるHEV用バッテリーの生産は2028年から始まる予定だ。モーター/インバーターの現地調達率も現在の4倍以上に高める計画である。三部氏は「現在ホンダではHEVを年間220万台販売しているが、これらの生産体制の再構築により年間250万台の販売に対応できるようになる」と説明する。
2028年には、発売中止となったEV3車種に搭載予定だった次世代ADAS(先進運転支援システム)を搭載したモデルの販売を開始する。グローバルで5年間で15車種以上のHEVに適用する計画だ。三部氏は「普及価格帯のHEVに搭載することで、ドライバーの意のままに「操る喜び」と、ストレスのない快適な移動体験の組み合わせによるホンダならではの提供価値を、より多くの顧客に体感していただきたい」と述べる。
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