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ホンダはHEVで四輪事業を再構築、中国勢に対抗する「トリプルハーフ」とは何か製造マネジメントニュース(1/4 ページ)

ホンダが電動化戦略の見直しを具体化した「2026 ビジネスアップデート」について説明。2040年度に四輪車販売比率をEVとFCVで100%にするという目標を撤回し、2030年度まではHEVを中核に四輪事業を再構築する方針である。中国をはじめとする新興メーカーの開発スピードに対抗するための「トリプルハーフ」の実現などモノづくりも強化する。

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 ホンダは2026年5月14日、東京都内で会見を開き、同年3月に発表した電動化戦略の見直しを具体化した「2026 ビジネスアップデート」について説明した。電動化戦略で掲げてきた2040年度の四輪車販売比率をEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)で100%にするという目標を撤回し、2030年度まではHEV(ハイブリッド車)を中核に四輪事業を再構築する方針である。また、中国をはじめとする新興メーカーの開発スピードに対抗すべく、2025年比で「開発費の半減」「開発期間の半減」「開発工数の半減」を全て実現する「トリプルハーフ」の実現などモノづくりの強化も大きな柱となる。

会見では2年以内に投入予定の次世代HEVのプロトタイプを披露した
会見では2年以内に投入予定の次世代HEVのプロトタイプを披露した。左側がセダンの「Honda Hybrid Sedan Prototype」、右側がアキュラブランドのSUV「Acura Hybrid SUV Prototype」[クリックで拡大]
「Honda Hybrid Sedan Prototype」のクオータービュー「Honda Hybrid Sedan Prototype」のフロントビュー「Honda Hybrid Sedan Prototype」のサイドビュー 「Honda Hybrid Sedan Prototype」のクオータービュー(左)、フロントビュー(中央)、サイドビュー(右)[クリックで拡大]
「Acura Hybrid SUV Prototype」のクオータービュー「Acura Hybrid SUV Prototype」のフロントビュー「Acura Hybrid SUV Prototype」のサイドビュー 「Acura Hybrid SUV Prototype」のクオータービュー(左)、フロントビュー(中央)、サイドビュー(右)[クリックで拡大]

 同日発表したホンダの2025年度(2026年3月期)連結業績は、売上高が前年度比0.5%増の21兆7966億円、営業損益が同1兆6278億円減の4143億円の損失、税引き前損益が同1兆7209億円減の4033億円の損失、親会社の所有者に帰属する当期損益が同1兆2597億円減の4239億円の損失となり、上場以来初の赤字決算となった。

ホンダの2025年度連結業績
ホンダの2025年度連結業績[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 これは、電動化戦略の見直しによって、北米で生産を予定していたEV3車種「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」「Acura RSX」の開発/発売を中止することによって発生する損失を計上したためだ。2025年度と2026年度の連結業績に対して合計で最大2兆5000億円の損失計上を見込んでおり、このうち2025年度の損失は約1兆3000億円を想定していた。実際の2025年度の連結業績では、EV関連損失として1兆4536億円を計上している。損失額は1兆3000億円から上振れしたが、これは2026年度に計上予定だった損失を前倒して計上しているためだ。

2025年度連結業績の営業利益増減要因
2025年度連結業績の営業利益増減要因[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 2026年度の連結業績見通しについては、売上高が前年度比6.2%増の23兆1500億円、営業利益が同9143億円増の5000億円、税引き前利益が同9033億円増の5000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同6839億円増の2600億円で1年で黒字回復する見込みだ。EV関連損失は5000億円を計上するとしている。

ホンダの2026年度連結業績見通し
ホンダの2026年度連結業績見通し[クリックで拡大] 出所:ホンダ
ホンダの三部敏弘氏
ホンダの三部敏弘氏

 ホンダ 取締役 代表執行役社長の三部敏弘氏は「電動化戦略の見直しを発表した際には『EVから撤退するのか』という声もあったが、引き続き日本やアジアなどでは地域ごとのニーズや普及スピードに応じてEVを販売する。北米でも時期が来た時には魅力的な製品を届けられるよう引き続き仕込みを行っていく。一方で、四輪事業の課題の本質はEV市場の減速だけではない。これまでにICE(内燃機関車)とHEVで1兆円近くの収益を稼ぎ出せる体質まで収益性を改善してきたが、北米では関税によって収益減となり、中国やASEANなどの新興メーカーを中心に競争環境が一層激化する市場では、売価や新価値提供のスピードといった面で競争力を失っており、台数減を招いている」と語る。

 今回の2026 ビジネスアップデートは、三部氏が指摘するようにさまざまな課題を抱える四輪事業の回復を主眼に置く。2028年度(2029年3月期)までの3年間をめどに四輪事業の体質改善に取り組んだ上で、高い収益性を維持している二輪事と金融の事業成長を併せて、過去最高水準となる営業利益1兆4000億円以上への回復を目指す。

四輪事業再構築に向けたロードマップ
四輪事業再構築に向けたロードマップ[クリックで拡大] 出所:ホンダ

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