平面度を上げても均一加圧できない ナノインプリント金型設計をCAEで追い込む:冴えない機械の救いかた(4)(2/6 ページ)
本連載「冴えない機械の救いかた」では、メカ設計の失敗事例を題材に、CAE解析や計測技術を用いて、不具合の発生メカニズムとその対策を解説していく。第4回は、ナノインプリント加工用金型の開発事例を取り上げる。均一な圧力で押せないという問題に対し、感圧紙による“見える化”とCAE解析による試行錯誤を組み合わせながら、短時間で最適な金型形状を導き出していった過程を紹介する。
加圧力分布の測定
加圧力分布を均一にしたいので、圧力を測定する手段が必要です。そこで感圧紙を使いました。商品名は「プレスケール」です(参考文献[1])。
図5に示すように、金型に感圧紙を挟んで加圧しました。図6に加圧後の感圧紙を示します。圧力が高いところほど赤くなります。
ここで断っておきますが、本稿で使用する全ての感圧紙の画像は、過去の記憶を基に筆者がプログラムを作って生成したものです。また、金型やダイセットの絵も、筆者が3D CADで作成したものです。実物の生写真は、勤めていた会社のサーバのどこかに存在するはずですが、公開はご容赦ください。
では、圧力が実際に何パスカルだったかを調べましょう。感圧紙が「見える化」だとしたら、圧力値を求めるのは「数値化」ですね。
圧力を知るため、感圧紙には図7のようなグラフが添付されており、このグラフを使って値を読み取っていました。これは約20年前のお話です。Webサイトの情報によると、今ではスマートフォンで感圧紙を撮影するだけで圧力値が分かるようです。
加圧力を均一にしたいが、うまくいかない
図8に加圧力測定例を示します。図8左図のように右半分の加圧力が大きいときは、プレス機を再調整したり、ダイセットの位置決めをやり直したりする必要があります。
図8右図のような場合は、金型接触面の平面度が出ていません。つまり、金型接触面に凹凸があるということです。そのため、金型接触面の平面度を上げる必要がありますが、高精度な加工ができる業者さんを探す必要があります。
ここでは、これらの問題が解決された後の話となります。つまり、金型接触面の平面度がほぼ理想的に仕上がった後の話です。
図9に、試行錯誤による改善結果を示します。一番右側は、金型を超硬合金で作った例です。試行錯誤の具体的な内容はご容赦ください。加圧力の均一性は良くなってきましたが、まだ均一な圧力とはいえない状態でした。
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