中小企業の「生産性向上」を支援するセンターを各都道府県に開設:製造マネジメントニュース
経済産業省は、各都道府県のよろず支援拠点内に「生産性向上支援センター」を開設した。経営課題を抱える中小企業や小規模事業者を複数回訪問し、省力化、効率化に関する具体的な改善策を提示する。
経済産業省は2026年4月1日、各都道府県のよろず支援拠点内に「生産性向上支援センター」を開設したと発表した。
よろず支援拠点は、中小企業や小規模事業者が抱える経営課題の解決を支援する組織だ。地域の支援機関の協力の下、地域の経済活性化に取り組んでいる。
今回、同拠点内に開設された支援センターでは、中小企業や小規模事業者が、省力化や効率化などを通じて生産性を高められるよう、個別の状況に応じた伴走支援を実施する。
支援の大きな特徴は、現場訪問型の徹底したサポート体制だ。知識や経験が豊富な生産性向上支援サポーターなどが10回程度訪問し、労働投入量を効率化するための最適な改善策を提示する。
具体的には、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)に基づく作業環境の整備や、業務プロセスにおけるムリ、ムラ、ムダの削減、デジタル化、自動化、IoT(モノのインターネット)化、AI(人工知能)活用など、多岐にわたる解決策を提案する。
また、同センターの支援を受けて「生産性向上取組計画」を策定した企業は、省力化投資を支援する制度「省力化投資補助金(一般型)」の採択審査において、加点措置を受けられるようになる見込みだ。これにより、生産性向上の取り組みを資金面からも後押しする。
相談対象となる悩みとしては、残業の常態化による人材の流出や、手作業中心の業務フローの見直しが進まないといったケースを想定している。現在、全国の各拠点において、中小企業や関係支援機関からの問い合わせ、支援申し込みを受け付けている。
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