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現場改善の意思決定に極めて効果的な「作業習熟分析」と「作業能率分析」現場改善を定量化する分析手法とは(18)(2/4 ページ)

工場の現場改善を定量化する科学的アプローチを可能にする手法を学習する本連載。第18回は、現場改善の意思決定に極めて効果的な「作業習熟分析」と「作業能率分析」について説明する。

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1.3 習熟分析の手順

 「習熟分析」は、一般的には図3の手順に従って行います。その際の習熟期間は、作業職種ごとや作業の難易度、未経験度合いなどによっても異なるため、データを層別し、作業別に分けて習熟分析を行わなければなりません。また、実際のデータは就業期間内で収集されますので、週休2日の場合に1カ月は20日となります。また、未習熟期間中の人の能率を表す用語は、企業によって異なっていますが、「習熟率」「習熟係数」などと呼ばれています。自社にとって、より適切な用語を用いてください。

図3
図3 習熟分析の手順[クリックで拡大]

 図3中の手順3に示す「WF法(Work Factor Analysis)」は、工場などにおける人の作業に要する標準時間をあらかじめ決める手法の一つです。人による作業は、指、手、腕、胴、足などの身体動作で行われますが、これらの各身体部分の動作の距離に、動作の困難性を示す作業条件としてのワークファクター(Work Factor)を加味して標準時間を算出する方法です。詳しくは、以下に挙げる連載『よくわかる「標準時間」のはなし』の第10回記事を参照してください。

 また、同手順中に示す「基準表」は標準時間の設定に際して作業時間を測定せず、あらかじめ作成しておいた標準資料から必要な作業要素の時間を合計して標準作業時間を設定します。「標準時間資料法」とも呼ばれます。この方法は作業要素ごとの時間値をデータ化しておくことで、標準時間の設定や見積もり作業などに際しても素早い対応が可能となります。

 図3中の手順6に示す「最小二乗法」は、誤差を含む観測データから、最も確からしい関係式を導き出す方法です。特に、データが直線関係(Linear Relationship)にあると仮定される場合に、その関係を表す直線の傾きと切片を決定する際に用いられます(図4)。

図4
図4 習熟曲線のモデル式[クリックで拡大]

 実測データの点と予測直線の「ずれ」を最小にすることが目的です。この「ずれ」は残差と呼ばれ、その2乗の和を最小にする直線を見いだします。原理は、各データの点と直線の距離(残差)を2乗し、その合計が最も小さくなるような直線を求めます。2乗する理由は、プラスとマイナスのずれが相殺されないようにするためです。

図5
図5 習熟分析の例[クリックで拡大]

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