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“生まれたときから自動運航船”な「げんぶ」の操舵室はどうなっているのかイマドキのフナデジ!(13)(2/3 ページ)

「船」や「港湾施設」を主役として、それらに採用されているデジタル技術にも焦点を当てて展開する本連載。第13回は、設計段階から自動運航機能の搭載を前提に建造された内航コンテナ船「げんぶ」の操舵室の構成や、導入された自動運航システムの構成、航行判断アーキテクチャなどについて解説する。

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自動運航に最適化した操舵室レイアウト

 げんぶの操舵室で最も目を引くのは、中央に設けたコックピット型の操船コンソールだ。従来、操船装置や航海機器は前面窓際に横一列に配置して、船長や航海士が左右に移動しながら各装置を監視、操作するレイアウトが一般的だった。

 げんぶでは、中央に設けられたコックピット型操船コンソールに集約することで、周囲船舶の位置や航跡、衝突予測などの航行判断に利用するこれらの情報を、当直員は中央コンソールに着座したまま視認できる。このため、1人当直でも周囲状況を効率的に把握できるようになった。

内航コンテナ船「げんぶ」の操舵室
内航コンテナ船「げんぶ」の操舵室。従来とは異なるレイアウトとして、中央に「コックピット型中央操船コンソール」を配置する[クリックで拡大]

 中央操船コンソール前面には大型ディスプレイを横3列×縦2段の6画面で並べて主要な航海情報を提示できる。右舷側にはマルチファンクションディスプレイと操作用のマルチファンクショントラックボールを設置して航海情報やシステム画面を操作し、左舷側には主機関の遠隔操作コンソールなどを配置して主に機関関連を制御する。

中央操船コンソールを当直員視点で見る
中央操船コンソールを当直員視点で見る。正面には航海情報を表示する大型ディスプレイ6面が並び、右舷側にマルチファンクションディスプレイと操作用トラックボール、係船索用ウインチ遠隔操作卓が並び、左舷側に主機遠隔操作コンソールなどを備える[クリックで拡大]

 中央操船コンソール正面の6面ディスプレイにはそれぞれ航海情報や自動運航システムの状態を表示する。撮影時点における表示内容は、上段の3画面に、左から行動計画ユニットNo.1、レーダー表示、DTC(Dynamic Train Control)表示器が並び、船舶周囲の状況や航行計画を視覚的に把握する構成となっている。DTC表示器では自船の運動状態や航行状況に関する情報を示す。

 下段の3画面には、左から行動計画ユニットNo.2、自動避航プログラム、アラート管理システムを表示する。行動計画ユニットは航路計画や航行データの管理に用いられ、自動避航プログラムは周囲船舶との関係を踏まえた避航判断の処理結果を表示する。アラート管理システムは各装置やシステムから発生する警報や注意情報を一覧表示し、当直員がシステムの状態を把握できるようになっている。

中央操船コンソール正面に配置された6面の大型ディスプレイ
中央操船コンソール正面に配置された6面の大型ディスプレイ。撮影時点では、記事本文の示した情報を表示しているが、これらの内容は右舷側コンソールに設けた操作卓で切り替えられる[クリックで拡大]

 6画面の下段中央にあるのが自動避航機能を担う「ARS(Advanced Routing Simulation and planning)」の表示画面だ。ARSは周囲船舶の動向を解析し、衝突の可能性を評価しながら航行計画をシミュレーションするシステムで、画面中央には自船周囲の航行状況を示すシミュレーション表示が広がり、他船の予測航跡や回避経路の候補を重ねて表示する。

 ARSは、衝突リスクをエリア単位で評価し、危険度を色分けした「衝突エリアリスクレベル」を表示する。操船者はこの表示を通じて、どの方向に衝突の可能性が高まるかを視覚的に把握できる。画面には自船の進路や速度、次のウェイポイントなどの航行情報も表示し、現在の航行状態と回避行動の関係を同時に確認できる。

 システムは周囲船舶の動向を踏まえて複数の航行パターンを計算し、回避経路の候補を提示する。当直員はその結果を監視しながら、安全な進路を判断できる。こうした情報を一体的に表示することで、操舵室では周囲状況の把握と回避判断を効率的に進めることが可能になるとしている。

下段中央にある自動避航プログラム「ARS」表示画面
下段中央にある自動避航プログラム「ARS」表示画面。周囲船舶の動向を解析し、衝突エリアリスクレベルを色分けして表示する。回避経路の候補や予測航跡を重ねて表示し、操船者が安全な進路を判断するための情報を提供する[クリックで拡大]

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