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パナソニックグループの「PX」は6年目へ 情シスと調達、物流の革新の現在地は製造マネジメント インタビュー(3/4 ページ)

パナソニックグループのプロジェクト「PX(パナソニックトランスフォーメーション)」は2026年度で6年目に入る。パナソニックHD 代表取締役 副社長執行役員 グループCIO グループCTROの玉置肇氏に今後の方向性を聞くとともに、PXの要となる情報システムと調達、物流の各担当者に取り組みの進捗状況を語ってもらった。

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QCD三位一体の調達改革

PEXの高田哲史氏
PEXの高田哲史氏

 調達の取り組みはPEX 執行役員 調達担当(兼)グローバル調達本部長の高(正しくははしご高)田哲史氏が説明した。

 高田氏によれば、パナソニックグループの調達部門の課題は、グローバル家電大手の地位にあったAVC社を中心に調達を行っていた時代から年々バーゲニングパワーが劣化していったことにある。さらには、事業拠点ごとにバラバラに調達を行っており、このこともバーゲニングパワーを低下させる要因になっていた。

パナソニックグループの調達部門の課題
パナソニックグループの調達部門の課題[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 そこで、グループとしての調達改革に向けて2002年から集中契約を開始。このコストを重視した取り組みを起点として、BCP(事業継続計画)や集中購買、品質情報管理などに取り組みを広げてQCD三位一体のプロセス改革を進めてきた。高田氏は「PX元年となる2021年からは、パナソニックグループ内のQCDにおける太く短いリレーション作ることを意識した調達DXが始まった」と語る。

パナソニックグループ調達改革の歴史
パナソニックグループ調達改革の歴史[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 集中購買では、これまでパナソニックグループの303の製造拠点がバラバラに注文を行っていたのを、グローバル調達本部に束ねることで、購入先との関係性として、1つの拠点から1つの注文を行い、1つの場所に納入するという体制に変更した。購買のグローバル調達本部への一本化では、Blue Yonderのエンジンをベースにした調達DXツール「ALGO」が効果を発揮した。その結果、注文数は新規で65%減、変更で84%減、納品回数で91%減という成果が得られたという。

QCD三位一体の購入プロセス改革
QCD三位一体の購入プロセス改革[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 また、設計開発に関わるECM(エンジニアリングチェーンマネジメント)おいても、汎用推奨部品を選定しやすくする調達DXツールとして、部品仕様ごとの推奨区分マップや互換品検索が可能なの「ARiA」や、推奨部品の利用状況を確認できる「REAL」を用意した。これによって推奨部品比率は62%から83%に伸び、年間で54億円の合理化につながった。

ECMプロセスの改革を推進するため調達DXツールを導入
ECMプロセスの改革を推進するため調達DXツールを導入[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 BCP対応では、自然災害発生時にハザードマップシステムを用いて購入先の被災状況などを自動で状況確認メールを発信し、回答を収集できるようになっている。金型管理についても、金型管理プラットフォーム(SACT)を構築し、紙台帳での管理からスマートフォンとカメラを用いたデータ管理に移行した。BCP対応で年間1.3億円、金型管理で年間9.4億円の業務削減効果が得られている。

BCP対応と金型管理
BCP対応と金型管理[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

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