手のひらサイズAIスパコン「DGX Spark」が4台連結可能に、OpenClawもサクサク動く:人工知能ニュース
NVIDIAは「GTC 2026」の開催に併せて、超小型デスクトップAIスーパーコンピュータ「DGX Spark」の次期ソフトウェアアップデートについて発表した。これまで2台連結によるスケールアウトが可能だったが、今後は4台連結まで可能になるという。
NVIDIAは2026年3月16日(現地時間)、米国カリフォルニア州サンノゼで開催中のユーザーイベント「GTC(GPU Technology Conference) 2026」(開催期間:同年3月16〜19日)に併せて、超小型デスクトップAI(人工知能)スーパーコンピュータ「DGX Spark」の次期ソフトウェアアップデートについて発表した。
DGX Sparkは、外形寸法が150×150×50.5mmと手のひらに乗る小型サイズながら、NVIDIA独自の4ビット浮動小数点演算(NVFP4)で最大1PFLOPSのAI処理性能を発揮するAIスパコンである。2025年10月に発売され、日本国内でもNVIDIAのパートナーを通して数多く出荷されている。容量128GBのLPDDR5メモリを搭載しており、最大で2000億(200B)パラメーターの大規模AIモデルを処理できる。さらに、通信インタフェースとして「ConnectX-7」を搭載しており、これを用いてDGX Sparkを2台連結してスケールアウトさせることで、AI処理性能や処理可能なAIモデルのパラメーター数をほぼ倍増させられることも大きな特徴だ。
「DGX Spark」はNVIDIA以外にOEMパートナー各社から販売されている。GTC 2026の展示会場では、Acer、ASUS、デル、ギガバイト、HP、レノボ、MSIの製品も展示されていた。これら異なるベンダーの製品も連結してスケールアウトさせられる[クリックで拡大]
今回のソフトウェアアップデートでは、DGX Sparkを4台まで連結して利用できることが発表された。3台連結する場合は、各DGX Sparkにイーサネットケーブルを接続してリングネットワークを構成することでクラスタリングが可能になる。4台連結する場合は、ネットワーク遅延を抑えるために、RDMA(リモートダイレクトメモリアクセス)が可能なRoCE(RDMA over Converged Ethernet)スイッチを用いて接続する必要がある。
GTC 2026の展示会場では、DGX Sparkの2台連結と3台連結、4台連結した状態を披露した。2台連結と3台連結はイーサネットケーブルで接続しているのに対し、4台連結は専用ケースに組み込まれた状態になっていた。
なお、GTC 2026では、自律型AIエージェントのオープンプラットフォームとして注目を集めている「OpenClaw」をベースに、NVIDIAのオープンAIモデルなどの各種ソフトウェアを組み合わせた「NemoClaw」を発表している。そして、今回のDGX Sparkのソフトウェアアップデートでは、NemoClawで重要な役割を果たす自律型AIエージェントの低遅延な動作を可能にする新たなオープンAIモデル「Nemotron 3 Super」をサポートしている。
Nemotron 3 Superのパラメーター数は120Bだが、最大200Bのパラメーター数に対応するDGX Sparkであれば1台でも十分に動作させられる。OpenClawによる自律型AIエージェントのPoC(概念実証)に最適であり、さらに多くのAIモデルを連携させた自律型AIエージェントを開発する場合にもDGX Sparkを最大4台まで連結することで性能をスケールアウトさせられる点でもメリットがあるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AIエージェントが代わりに働くようになったら人は何をするの?
人の力をどこに生かすのか。
NVIDIA「Vera Rubin」は7つの新チップ、GroqのLPU追加でAIエージェント性能向上
NVIDIAは米国カリフォルニア州サンノゼで開催中のユーザーイベント「GTC 2026」の基調講演において、CPU「Vera」やGPU「Rubin」など新たなアーキテクチャを基にしたAIインフラの基盤「Vera Rubinプラットフォーム」を発表した。
NVIDIAの「Rubin Ultra」は新サーバラック「Kyber」を導入、中は全て縦置き
NVIDIAは、ユーザーイベント「GTC 2026」の基調講演において、主要チップの量産開始を発表したAIインフラ基盤「Vera Rubinプラットフォーム(以下、Vera Rubin)」以降の開発ロードマップを紹介した。
生産性100倍に、富士通がソフトウェア開発をAIエージェントで自動化する開発基盤
富士通は、ソフトウェア開発の全工程をAIエージェントが自動化する「AI-Driven Software Development Platform」を開発した。実証では、3人月を要したソフト改修作業を4時間に短縮し、生産性を100倍に向上できた。
NXPがエッジへのAIエージェント実装を推進、数百TOPSクラスの新たなNPUも開発へ
NXPセミコンダクターズは、同社が開発を進めているエッジ環境にAIエージェントを組み込むための開発ツール「eIQ Agentic AI Framework」をはじめとするエッジAI戦略について説明した。
日立が設備故障診断を支援するAIエージェント、新しい障害でも対応を明確に指示
日立製作所は、工場の設備故障診断を支援するAIエージェントである「現場サポートAIナビ」を、HMAX Industryのラインアップの1つとして提供する。


