イチから全部作ってみよう(30)データベース操作の共通言語「SQL」を使ってみる:山浦恒央の“くみこみ”な話(199)(1/3 ページ)
ソフトウェア開発の全工程を学ぶ新シリーズ「イチから全部作ってみよう」。第30回は、これまで紹介してきたデータベースに関する概念的な話から離れ、SQLを使って実際にデータベースを操作してみる。
1.はじめに
山浦恒央の“くみこみ”な話の連載第170回から、入門者をターゲットとして、「イチから全部作ってみよう」というシリーズを始めました。このシリーズでは、多岐にわたるソフトウェア開発の最初から最後まで、すなわち、要求仕様の定義、設計書の作成、コーディング、デバッグ、テスト、保守までの「開発フェーズ」の全プロセスを具体的に理解、経験することを目的にしています。
興味がある方は、連載第170回からのバックナンバーをご覧ください。
2.前回の振り返り
過去3回では、データベースとは単なるデータの置き場ではなく、「特定のルールに従って整理、蓄積したデータの塊」だということを説明しました。
また、バラバラの情報を、必要な時だけ「ガッチャンコ(結合)」して活用するデータベースを、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)と呼びましたね。なお、皆さんが日常、Windowsで使っているファイルシステムは、木の幹、枝、葉のように先へ延びるほど細かくなるツリー構造型のデータベースで、RDBMSとは別の形態です(図書館での書籍の管理もこの構造ですね)。なお、データの構造に規則がない、いわゆる「スパゲティ構造」のデータベースもあります。代表例が、リンクを無秩序に張った無数のWebサイトです。世界で圧倒的に巨大なデータベースが実は「無秩序型」というのは大きな皮肉であり、キチンと制御せず、自然発生的にデータを蓄積すると、このようになってしまうのです。
今回からは、データベースに関する概念的な話から離れ、実際にデータベースを操作しましょう。
3.SQLとはコンピュータと対話するための共通言語
前回までは、「1冊のノート」をデータベースに見立てて話を進めてきましたが、今回の相手は、コンピュータです。人間の言葉で、「1999年産のシャトーマルゴーの在庫はいくつ?」と伝えても、理解してもらえません。そこで必要になるのが、SQL(Structured Query Language)です。
SQLとは、RDBMSを操作するための標準言語です。例えば、3000円以上の商品を調べたい場合は、下記のように記述します。
SELECT * FROM テーブル名 WHERE 価格 >= 3000 (指定したデータの塊から、3000円以上の商品を抽出する)
上記は、SELECT文というデータ抽出のコマンドで、条件に合致するデータを抽出することができます。このように、SQLを使うことで、膨大なデータを瞬時に抽出/管理することが可能です。
4.SQLiteの環境構築
RDBMSには多くの製品がありますが、今回は学習に適した軽量データベースの「SQLite」を使用します。なお、今回は、Windows 11の環境が前提です。
(1)公式サイトからSQLiteをダウンロードする
SQLiteの公式Webサイトから、SQLiteのバイナリをダウンロードします。今回は例として「sqlite-tools-win-x64-3510200.zip」をダウンロードしました。加えて、Cドライブ直下にsqliteというフォルダを作成し、配置しました(C:\sqlite)。
(2)パスを通す
そのままでも使用できますが、毎回パスを指定せずに実行できるように、環境変数に登録します。
- Windowsのスタートメニューから「環境変数を編集」を検索して開きます。
- 「ユーザー環境変数」のリストから、「Path」を選択して「編集」をクリックします。
- 先ほど作成したフォルダ(C:\sqlite)を新規追加して、OKを押します。
(3)環境構築が完了したか確認する
環境が正しく構築できたか確認します。コマンドプロンプトを起動し、下記を入力してください。
sqlite3 --version
実行して、バージョン名が表示できたら完了です。
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