工場データ収集の9割で通信トラブル経験、製造業の現場担当者約1000人調査:FAニュース
OKIが実施した製造現場のデータ収集に関する調査により、57%が人手による巡回記録を行っている現状が判明した。無線導入済みの現場でも9割が通信トラブルを経験しており、安定した無線技術への高い需要が示された。
OKIは2026年2月20日、製造業の現場担当者1003人を対象に実施した、工場におけるセンサーデータ収集の実態と無線化ニーズに関する調査結果を発表した。データ収集方法として「人手による巡回での記録」が57.0%と最多で、有線センサーの41.4%を上回った。同社はこの課題に対し、長距離通信と高信頼性を両立する920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」による解決を提案している。
工場内のデータ収集における課題を調査したところ、現在の方法で不十分な点として「レイアウト変更時の再配線が手間」が47.5%と最も多く、次いで「配線工事が大変」が37.6%となった。有線ネットワークは通信の安定性に優れる一方で、頻繁な設備の移動や設置作業の負荷が自動化を妨げる要因となっている。
一方で、無線センサー(Wi-Fiや920MHz帯など)を利用している回答者のうち、約9割が通信トラブルを経験していることも浮き彫りになった。内訳は「よくある」が25.0%、「たまにある」が60.2%である。工場内は遮蔽物が多く、一般的な無線規格では電波干渉や到達不足が発生しやすいため、配線レスと通信の安定性をいかに両立させるかが、IoT(モノのインターネット)化の大きな障壁となっている。
これらの課題に対し、OKIが提供するSmartHopは、920MHz帯を活用した無線ソリューションだ。障害物に強い電波特性を持ち、見通し環境では約1kmの長距離通信が可能。さらに、複数の端末を経由してデータを伝送するマルチホップ技術を採用している。これにより、複数フロアにまたがる環境や遮蔽物の多い工場内でも、配線工事の負担を抑えつつ、安定したネットワークを構築できる。
本調査の結果から、生産現場では人手不足やDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応として、データ収集の自動化ニーズが潜在的に高いことが示された。同社は、配線不要で拡張性に優れた無線技術の提供を通じて、現場の運用負担を軽減し、カーボンニュートラルの推進や生産効率の向上に寄与するデータ活用の基盤構築を支援していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ソフトウェアデファインドはオートメーションに何をもたらすのか
本連載では、ソフトウェアデファインドオートメーションおよびソフトウェアデファインドマニュファクチャリングのトレンド、方向性と実現に向けた要点について、多くの製造領域のリーダーやテクノロジープレイヤーとの議論を通じた筆者の考えを述べる。今回は、ソフトウェアデファインドの概要を説明しながら、モノづくりにおいてソフトウェアデファインドが必要とされる背景を考える。
ソフトウェアデファインド×オープン化は製造現場を変えるのか
近年、製造業でも「ソフトウェアデファインド」という言葉が定着しつつある。制御や機能をハードウェアから切り離し、ソフトウェアで定義するという考え方だ。そして、分離されたソフトウェアは、外部とつながる「オープン化」によってさらなる拡張性を獲得する。ソフトウェアデファインド×オープン化の流れを考察する。
ソフトウェアデファインドオートメーションを支える制御プログラム構築技術
本連載では、ソフトウェアデファインドオートメーションおよびソフトウェアデファインドマニュファクチャリングのトレンド、方向性と実現に向けた要点について、多くの製造領域のリーダーやテクノロジープレイヤーとの議論を通じた筆者の考えを述べる。今回は、ソフトウェアデファインドオートメーションの実現に向けて必要なコンセプトや、メリットおよび課題について考える。
ソフトウェアデファインドマニュファクチャリングは製造基盤として何を生むのか
本連載では、ソフトウェアデファインドオートメーションおよびソフトウェアデファインドマニュファクチャリングのトレンド、方向性と実現に向けた要点について、多くの製造領域のリーダーやテクノロジープレイヤーとの議論を通じた筆者の考えを述べる。最終回となる今回は、ソフトウェアデファインドマニュファクチャリングについて考える。
産業用ネットワークのオープン化の現状と今後
本連載では、産業用ネットワークのオープン化にまつわる歴史について紹介します。今回は、産業用ネットワークのオープン化の現状と今後について考えます。

