富士通が自律型AIエージェントで小売業界へ、2030年度売上2000億円市場を狙う:スマートリテール(1/2 ページ)
富士通は、自律型AIエージェントを核に小売現場の課題を解決する新ソリューション「Uvance for Retail」を発表した。「リテールテックJAPAN 2026」で披露した同製品のデモンストレーションの様子も紹介する。
富士通は2026年3月2日、小売業向けオファリングサービス「Uvance for Retail」の提供を開始すると発表した。富士通は同ソリューションの推進により、流通業向けUvanceビジネス事業の売り上げを、2024年度の390億円から2025年度には約700億円、2030年度に向けて2000億円規模への拡大を目指す。
富士通のAIエージェントを核に、異なる特化型AIとも連携
Uvance for Retailは、メーカーや卸、社内システムごとに分断されていたデータをクラウド上に統合し、横断的な活用を可能にする基盤だ。
技術の中核を担うのが、富士通のAI(人工知能)エージェント「Watomo(ワトモ)」である。Watomoを基盤とし、カメラやPOSシステムなどから収集したデータを掛け合わせることで、基にした店舗業務の自律化や、パーソナライズ化された体験の提供を実現するものだ。
富士通はリテール向け事業を推進するため、2025年に独GK Softwareとブレインパッドを完全子会社化し、社内での協業を進めてきた。Uvance for Retailは、富士通が持つ小売業界のデータ構造の知見と、世界65カ国以上でPOS/店舗システムソリューションを展開するGK Softwareの技術、そしてブレインパッドのデータサイエンス/AI分析のノウハウを融合。3社の強みを掛け合わせた三位一体の連携体制で提供する。
リテールテック2026で活用イメージを披露
このようなテクノロジーが、実際の小売現場をどう変えるのか。富士通は「リテールテックJAPAN 2026」(2026年3月3〜6日、東京ビッグサイト)において、「複数AIの連携による店舗運営」「因果推定AIによるロイヤリティーマーケティング」の、具体的な活用イメージを公開した。
店舗運営のデモンストレーションでは、売り上げや在庫、混雑状況、冷蔵庫の温度センサーなどのデータを基に、具体的な指示を提案する様子を披露した。WatomoはカメラやPOSシステムから集約したデータを基に、特定商品の在庫不足や行列発生など、店舗が今すぐ解決すべき課題を自動で検知。その結果を店長や店舗責任者向けのダッシュボード「オペレーションズ コックピット」にリアルタイムで連携する。
これらの検知に基づき、特化型のAIが連携し、現場の従業員が持つスマートフォンなどの端末へ、「誰が/いつ/何をすべきか」といった具体的な指示が飛ぶ仕組みだ。反対に、従業員が店頭で商品のバーコードを読み取り、コックピットへ向けて在庫補充の要請を出すなど、双方向の連携も可能となっている。
また、検知システムには、GK Softwareの製品も稼働している。例えば、セルフレジのAIカメラが顧客の年齢を自動で推定する機能や、未決済の商品を検知して支払いをストップさせる機能などを備える。
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