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抽出の基本原理:はじめての化学工学(16)(1/2 ページ)
前回に取り上げた「蒸留」に次いで、頻繁に行われる分離操作が「抽出」です。主に液液抽出を取り上げて、基本原理について解説します。
溶けた成分を取り出す抽出操作
分離操作として代表的な蒸留ですが、分離したい成分の沸点が非常に近かったり、熱を加えると壊れてしまう物質だったりする場合、蒸留は使えません。そこで抽出を利用します。抽出は、原料(液体または固体)に、特定の成分だけをよく溶かす溶剤を加えて接触させ、目的の成分を溶剤側に移動させて分離する操作のことです。
コーヒーを入れる操作も、カフェインや香りといった成分を豆からお湯で溶かし出す「固液抽出」の一種です。原料が液体の場合は「液液抽出」と呼ばれます。原料/溶剤どちらも液体であることから、後で分離するためにも互いに混ざり合わないことが求められます。
蒸留が蒸気圧の違いで分離するのに対し、抽出は溶剤に対する溶けやすさの違いで分離します。抽出後、溶剤を蒸発させることで目的成分を取り出せます。
抽出の計算や設計を学ぶに当たり、独特の用語を押さえておく必要があります。目的成分が抽質、それを溶かす溶剤が希釈剤です。これらを合わせて抽料と呼びます。抽料から目的成分を抽出するための溶剤が抽剤です。
抽出操作を行うと、2つの層に分かれます。目的成分が移った方が抽出液、目的成分が減った方を抽残液(もしくは抽残物)と呼びます。最終的には、この「抽出液」から蒸発などの方法で溶剤を回収し、目的の製品を取り出します。
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