IoTゲートウェイの課題はデータの欠損と変換、IIJ子会社が新コンセプトで解決へ:製造業IoT(1/2 ページ)
IIJの100%子会社であるネットチャートがIoT向けマネージド型エッジゲートウェイサービス「P3EG」を発表。P3EGは、データの欠損や変換に関わる従来のIoTゲートウェイの課題を解決する「データSLA」を実現する業界初のサービスとなる。
インターネットイニシアティブ(IIJ)の100%子会社であるネットチャートは2026年2月24日、東京都内で会見を開き、IoT(モノのインターネット)向けマネージド型エッジゲートウェイサービス「P3EG」の販売を開始すると発表した。P3EGは、データ欠損によるビジネスリスクを回避したり、IoTセンサーのデータをサーバが要求する形式に変換したりといった、従来のIoTゲートウェイの課題を解決する「データSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)」を実現する業界初のサービスとなる。主に、製造業のスマートファクトリー、物流/サプライチェーン、スマートシティーにおけるインフラ監視、親会社のIIJが手掛ける通信などの分野を中心に事業を展開し、2028年までに50件の販売を目指す。
一般的にIoTゲートウェイは、サーバへのデータ送信に再送制御機能を持つTCP/IPを用いていることからデータ欠損が発生しているイメージはない。ネットチャート IoT開発事業部長の杉山文彦氏は「実際には、ネットワークの通信障害やサーバが応答しないなどの事態があると、IoTゲートウェイの再送制御機能が不十分でデータを破棄したり再送しなかったりすることがある。そしてこれからの時代、IoTゲートウェイによって収集するデータは収益や戦略的価値を生む資産になっていく。データ欠損が発生するということは、売り上げ機会の損失や安全リスクへの悪影響、法令違反/信用低下といったビジネスリスクにつながる可能性があるということだ」と指摘する。
また、現行のIoTゲートウェイでは、センサーごとに異なる通信方式やサーバ側が求める形式に個別対応するためのデータ変換も課題になっている。「実際には、センサーごとに専用のIoTゲートウェイを個別に開発しており、それらの導入や運用が大きな負担になっている」(杉山氏)という。
IoTゲートウェイにおけるデータ欠損とデータ変換の課題を解決
P3EGは、IoTゲートウェイにおけるデータ欠損とデータ変換の課題を解決すべく開発されたサービスだ。データ欠損では、IoTゲートウェイからサーバへのデータ送信において、通信が成功するまで送信を繰り返すとともに再送信データは標準で7日間保持し(アラート有)、電源断が起きても送信待ちデータを初期化しないなどの対策により、可能な限りサーバへのデータ送信を担保できるようにした。一方、センサー側の不具合でデータを取得できない場合についても、全てのデータ通信の成功/失敗のログを保持することで、データ欠損の原因を明確化できるようにしている。
ネットチャートは、これらのIoTシステム全体の健全性を担保する仕組みを「データSLA」と呼び商標登録も行っている。実証実験では99%のデータ取得率を達成しているという。
データ変換については、IPデバイスだけでなく、シリアル通信などを含めた非IPデバイスを含むセンサーに対応する。センサーから取得したデータは、サーバ側が要求するJSONなどのデータ形式に自動変換して送信できるようになっている。REST APIを介した双方向通信も可能で、サーバ側からセンサーに対してデータ送信などの操作指示を送ることも可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.





