検索
特集

1.1秒に1個のブレーカー、4万の品番 パナソニック電気の見張り番のモノづくりメイドインジャパンの現場力(1/3 ページ)

住宅内の“電気の見張り番”である住宅分電盤。国内の最大シェアを持つパナソニック エレクトリックワークス社の傘下で、住宅分電盤やブレーカー(遮断器)を製造する、パナソニック スイッチギアシステムズ(愛知県尾張旭市)のモノづくりに迫った。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 住宅内の“電気の見張り番”として、電力会社から送られてきた電気を各照明やコンセントに配り、使い過ぎや異常発生時に電気を遮断する住宅分電盤。パナソニック エレクトリックワークス社(パナソニックEW)は国内において、住宅分電盤の7割(金額ベース、同社調べ)のシェアを誇る。

 同社の傘下で、1.1秒に1個という高速生産を実現する自動化ラインと、膨大な品番に対応する人手による組み立て工程の連携により、、住宅分電盤やブレーカー(遮断器)を製造する、パナソニック スイッチギアシステムズ(愛知県尾張旭市)のモノづくりに迫った。

操業90年超、住宅の安全を支える分電盤の製造拠点

 パナソニック エレクトリックワークス社の電設資材ビジネスユニット(BU)は電路、配線、住宅システム、配管の4つの事業領域で成り立っている。その中で、パナソニック スイッチギアシステムズが担う電路機器は住宅分電盤を中心に、非戸建て向けの電設盤、ブレーカー、時計/計測で構成されている。

 パナソニック スイッチギアシステムズは1935年に瀬戸焼で知られる愛知県瀬戸市に設立された。これは、過電流時に自動で回路を遮断するカットアウトスイッチが当時、陶磁器の絶縁性を利用して作られていたことによる。1943年に現在の尾張旭市に移転した後も、一貫して住宅分電盤やブレーカーを製造してきた。現在は3万m2の敷地に、約530人が働いている。


パナソニックグループにおけるパナソニック スイッチギアシステムズの位置付け[クリックで拡大]出所:パナソニック スイッチギアシステムズ
パナソニック スイッチギアシステムズの電路事業の概要
パナソニック スイッチギアシステムズの電路事業の概要[クリックで拡大]出所:パナソニック スイッチギアシステムズ

 住宅分電盤の内部は主に主幹ブレーカー、分岐ブレーカーなどで構成されている。パナソニック スイッチギアシステムズの生産量としては、住宅分電盤を月間約1万2000面、計10種類のブレーカーを月間約110万個生産している。

 ブレーカーの中でも、住宅分電盤に多数入れられるコンパクトブレーカー(コンパクト2P1E型)の生産量は月間70万個に及ぶ。材料の投入から部品加工、最終組み立て、そして全数検査に至るまで徹底して自動化されており、1フロアの生産ラインには自社開発の設備が約80台連なっている。1.1秒で1個完成する計算になる。

 コンパクトブレーカーは、遮断機能をつかさどるハートブロック、施工時に電線を接続する部分となる中仕切りブロック、住宅分電盤へ接続するプラグイン端子部分となる電路Nブロックの計3つのブロックで構成されている。ブレーカーの中には成形部品や金属部品など約30個の部品が入っており、ほぼ全てを内製している。

2026年4月に発売するHEMS対応住宅分電盤「FLEXIID smart(フレキシード スマート)」(左)と、内部の様子(右)。薄型設計で空間に美しく収まるデザインを目指した[クリックで拡大]
コンパクトブレーカーの内部の構造
コンパクトブレーカーの内部の構造[クリックで拡大]

 ハートブロックには、ブレーカーの特性を決めるバイメタルや瞬時ブロックが組み込まれている。バイメタルは熱膨張率が異なる2種類の金属を張り合わせ、過電流時の発熱で電気を遮断する部品だ。瞬時ブロックは、短絡電流が流れた際に接点を引き外し、回路を遮断する役割を持つ。これらの機能がブレーカーの心臓部に当たるため、ハートブロックと呼ばれている。

 中仕切りブロックは、住宅の各コンセントから伸びている電線をブレーカーに差し込む部分となる。ワンタッチで着脱できるようになっており、接続中はオレンジ色の表示が出る。オレンジ色にしている理由は、施工業者が暗い中で配線作業をしても、電線が確実に挿入できたことを一目で確認できるためだという。電路Nブロックは、分電盤で最初に外部からの電気を受け取る主幹ブレーカーを通ってきた電気を受け取る部分となる。

コンパクトブレーカーは3つのブロックで構成される
コンパクトブレーカーは3つのブロックで構成される[クリックで拡大]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る