ヤマ発は2026年の関税影響額が3倍に、コスト構造改革で米国事業立て直し急ぐ:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
ヤマハ発動機は、2025年12月期(2025年1〜12月)の決算説明会をオンラインで開催した。
ヤマハ発動機は2026年2月13日、2025年12月期(2025年1〜12月)の決算説明会をオンラインで開催した。
米国市場の環境変化でコスト構造改革に着手
2025年12月期(2025年1〜12月)の売上高は前年比1.6%減の2兆5342億円、営業利益は同30.4%減の1264億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同85.1%減の161億円だった。
米国では関税によるコスト増加および市場の停滞で、事業の収益構造が中期経営計画の前提から大きく変化。関税の影響額は2025年に171億円、2026年通年は前年比で3倍以上の543億円を見込んでおり、大きな利益の押し下げ要因となっている。また、景気の不透明感によって需要は低調に推移し、米国市場での販売は当初の想定以下で推移している。これらの状況を踏まえ、同社では全社的なコスト構造改革に着手した。2026年は関税が通年で影響するものの、コスト構造改革と価格戦略により収益力を強化していく。
具体的には、市場と競合の状況を見極めながら適切な価格転嫁を行う。研究開発は投資効果の優先付けを行った上で、モデル開発の延期や停止を実施する。米国工場の製造原価を引き下げるため、調達コストの抜本的な見直しを行う。ITシステムの導入も延期、さらに米国拠点の人員整理も取り組む。これらの対策による改善効果は、2026年に約370億円を見込む。
ヤマハ発動機 代表取締役社長の設楽元文氏は「モデル開発の見直しは、米国向けを中心に行う。即座に収益性に影響がないモデル、もしくは長期的に見て重要なモデルは逆にしっかり残す。メリハリをつけた投資を勘案していく。米国での製造や開発、営業などの機能を最適化する中で、人員の見直しを図っている。米国市場は当社の売り上げの4割を支えており、特にマリン事業が大きな収益源になっている。ただ先行きが不透明な部分があり、将来に備えてコア事業については投資を厚くし、不採算事業については可能な限り整理する方向で見直しを行っている」と話す。
セグメント別では、二輪車やRV、SPV(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車椅子)を含むランドモビリティセグメントの2025年12月期の売上高は、前年同期比0.3%増の1兆6151億円、営業利益は同4.7%増の1087億円だった。
MC(Motorcycle)事業はベトナムで発生した洪水によって工場が浸水し、生産/出荷を一時停止した影響があったものの、インドネシアやフィリピン、タイで出荷台数が増加し、売上高は前年並みの1兆5781億円となった。営業利益は、調達コストの上昇や研究開発費、人件費などの販売管理費の増加、米国関税の影響により減益となった。
2025年には、インドで自社開発の電動スポーツスクーター「AEROX E」と現地スタートアップ企業と開発した「EC-06」を発表。AEROX Eは、ASEAN新興国でのプレミアム戦略に沿った高付加価値モデルの1つとなる。EV(電気自動車)領域においてもインド市場でのプレミアムイメージの構築を図る。EC-06は、より広い顧客層に向けて開発したモデルになるという。
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