【レベル6】3Dモデルから2D図面を作成せよ!:テルえもんクエストII(6)(1/3 ページ)
設計スキルのレベルアップを目指す設計者の皆さんを“冒険者”に見立て、さまざまな“問(モン)スター”に挑む「テルえもんクエストII」の世界へようこそ。【レベル6】のテーマは、「3Dモデルから2D図面を作成せよ!」だ。
【レベル6】3Dモデルから2D図面を作成せよ!
メカ設計において、3D CADを導入すれば、従来の2D図面がなくても3DプリンタやCAMを通じて製品を製造すること自体は可能になりました。しかし、現場の運用や既存の製造プロセスを踏まえると、すぐに「図面を完全に廃止する」という判断は現実的ではありません。現在でも、多くの場面で2D図面は必要とされています。
こうした背景を踏まえ、多くの3D CADには3Dモデルから2D図面を作成するための機能が標準搭載されています。今回は、その中でも“まず押さえておきたい”基本の図面作成機能を取り上げます。
図面作成
3D CADを使った図面作成は、単なる「2Dの絵を描く」作業ではなく、3Dモデルの意図を正しく製造現場などに伝えるための重要な工程です。基本設定、投影図、断面図、寸法、公差、表題欄といった要素が適切に記載されて、はじめて「読みやすく、誤解のない図面」となります。
以降では、図面作成で押さえておきたい重要なアイテム(基礎知識)を紹介します。図面作成の本質や操作のポイントを理解し、日々の設計業務に役立ててください。
アイテム(1)基本設定
図面作成を始める前に、用紙サイズや単位、線種といった基本設定を確認します。これらは作成途中でも変更できますが、最初に確認/設定しておくことで作業がスムーズに進みます。また、設定内容をテンプレート化しておけば、毎回同じ項目を設定する手間を省けます。
注意点として、「Autodesk Fusion」では初期設定の投影方法が「第一角法」になっています。図面の運用に合わせて「第三角法」に変更しておきましょう。第三角法について詳しく知りたい方は、本連載の【レベル1】を参照してください。
アイテム(2)投影図
3Dモデルを正面、上、横(側面)などの方向から見た図として投影し、図面上に配置します。これにより、形状を正確に示した図を、尺度(スケール)を指定して簡単に作成できます。
また、奥側に隠れている線(隠線)を製図ルールに沿った細い破線で自動表示させることも可能です。さらに、3Dモデルと同様に面に色が付いた表示(シェーディング)へ切り替えることもでき、用途に合わせて見やすい表示を選べます。
アイテム(3)断面図/拡大図
断面図を作成する場合は、投影した図に対して「どこで断面を切るか」を指定し、続いて「どこに配置するか」を指示するだけで作成できます。断面部分のハッチングは自動で作成され、切断線も製図規格に沿った線種で表示されます。
拡大図(詳細図)を作成したい場合も同様で、投影した図の中から拡大したい箇所を選び、配置場所と尺度を指定するだけで作成できます。
この他にも、補助投影図や局部投影図、部分投影図など、目的に応じたさまざまな投影図を簡単かつ確実に作成可能です。
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