【レベル5】作業履歴を正しく編集し、設計変更せよ!:テルえもんクエストII(5)(1/2 ページ)
設計スキルのレベルアップを目指す設計者の皆さんを“冒険者”に見立て、さまざまな“問(モン)スター”に挑む「テルえもんクエストII」の世界へようこそ。【レベル5】のテーマは、「作業履歴を正しく編集し、設計変更せよ!」だ。
【レベル5】作業履歴を正しく編集し、設計変更せよ!
メカ設計業務において、3D CADで一度モデリングした形状がそのままOKとなるケースは少なく、設計変更が発生することはよくあります。
「Autodesk Fusion」や「SOLIDWORKS」などの3D CADでは、作業履歴を保存するヒストリー型を採用しており、定義したパラメーターの値を変更して形状を修正できるパラメトリックモデリング機能が備わっています。
レベル5となる今回は、パラメトリックモデリング機能を備えたヒストリー型3D CADで設計変更を行う際の一般的な手順やテクニックについて取り上げます。
3D CADでの設計変更
3D CADで3Dモデルを作成する基本的な流れとして、まず2Dスケッチを描き、「押し出し」や「回転」などのフィーチャー(機能)を使ってスケッチから3D形状を作成します。
スケッチやフィーチャーにパラメーターの値を入力し、設計したい形状を定義します。これらの値や作業の履歴を後から編集することで、設計変更が可能になります。
それでは、今回のアイテム(基礎知識)を授けます。
アイテム(1):スケッチ編集/削除
作成したスケッチは履歴として保存されているため、後から編集が可能です。
履歴に保存されたスケッチをダブルクリック、または右クリックしてショートカットメニューから編集モードに入り、定義した寸法値をダブルクリックして値を変更します。
寸法値の変更だけでなく、幾何拘束の追加や変更、スケッチ線の修正なども行えます。3D CADの種類によっては、スケッチを作成している平面を再定義できるものもあります。
アイテム(2):フィーチャー編集/削除
作業履歴として保存されているフィーチャーは、フィーチャー名やアイコンをダブルクリック、または右クリックしてショートカットメニューから編集を選択し、パラメーター値や設定したオプションを変更できます。
フィーチャーは削除することも可能です。また、削除せずに一時的に抑制したり、抑制を解除したりして形状を切り替える方法もあります。
アイテム(3):フィーチャーの順番変更
作業履歴に保存されたフィーチャーの順番は、ドラッグ&ドロップやメニュー操作によって並べ替えが可能です。
フィーチャーの順番を変えると、形状が変化する場合があります。特に「シェル」は一定の厚みで形状を切り抜く機能のため、実行するタイミングが重要になります。
アイテム(4):フィーチャーの追加挿入
作業履歴の途中にフィーチャーを追加挿入したい場合は、追加したい箇所の直前まで履歴を一時的にさかのぼり、そこに新しいフィーチャーを追加します。
履歴をさかのぼる機能は、作成手順の確認にも役立ちます。Autodesk FusionやSOLIDWORKSでは、履歴の部分にあるバーをドラッグ&ドロップで移動することで、任意の位置まで履歴をさかのぼれます。
アイテム(5):設計変更でエラーが起きにくいモデリング方法
実務で設計変更を行おうとした際に、エラーが発生して先へ進めなくなることがあります。
このようなトラブルを防ぐモデリング方法については、連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」の第4回「3D CADで設計変更していたらエラーが発生して先に進めない!?」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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