オムロンは“チーム生成AI”で効率化 ラダーのプログラム資産検索も:IIFES 2025
オムロンは「IIFES 2025」において、2026年中のリリースを予定している、生成AI(人工知能)を活用した新サービス「OMRON Automation Teams」を紹介した。
オムロンは「IIFES 2025」(2025年11月19〜21日、東京ビッグサイト)において、生成AI(人工知能)を活用して、設計や検証、立ち上げの効率化を図るサービス「OMRON Automation Teams」を紹介した。2026年中のリリースを予定している。
同サービスは、クラウド環境にアクセスすることで、インストール不要でどこでも利用できる対話型生成AIアプリケーションとなる。会場で紹介したのは、「設計情報活用AI」「STプログラム自動生成AI」「エンジニアリング支援AI」の3つだ。
設計情報活用AIは、既存のプログラム資産の効率的な再利用が可能になる。従来は、過去のプログラム資産を活用しようとすると、当時の技術者が退職していることもあり、膨大な過去のプログラムの中から人力で探し出し、解析する必要があった。設計情報活用AIでは、過去のプログラムが入ったフォルダを読み込ませ、ユーザーがキーワードを入力すると、AIがフォルダ内からキーワードに近いプログラムを探し出してくる。プログラムの中身もAIがコメントを付けて解説する。現在はラダー言語に対応している。
「過去のプログラムの中身は、作成した技術者が退職すると分からなくなってしまうことが多い。熟練技術者が“あそこが使えそう”と思っても、実際にどこが使えるのか見つけるのも大変だ。探している時間は付加価値を生まない。それをAIに読み込ませることで効率的に再利用できる資産になり、人はソースコードを一切読むことなく探すことができる。一見すると地味な機能だが来場者には大変喜ばれている」(オムロンの説明員)
STプログラム自動生成AIは、新しく制御プログラムを作成する際に使用する。自然言語で実現したい動作指示内容を入力すると、命令語など含めてオムロンならではの最適なST言語のプログラムを出力する。
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