印象ガラリ、“たためる電動バイク”の新モデル「TATAMEL BIKE+」を披露:Japan Mobility Show 2025(1/2 ページ)
ICOMAは、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」において、同社を代表する電動バイク「TATAMEL BIKE」や新モデル「TATAMEL BIKE+」など、自社開発および協業によるさまざまなモビリティを披露した。
ICOMAは、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」(プレスデー:2025年10月29〜30日、一般公開日:同年10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)内の「Tokyo Future Tour 2035」において、ブース全体を“おもちゃ箱”に見立て、同社を代表する電動バイク「TATAMEL BIKE」や新モデル「TATAMEL BIKE+」など、自社開発および協業によるさまざまなモビリティを披露した。
「TATAMEL BIKE+」 ベースはそのままで、見た目はまるで別モデルに
注目は、2025年10月15日に「2025年度 グッドデザイン賞」で「私の選んだ一品 2025」を受賞したばかりのTATAMEL BIKEをベースとした新モデル「TATAMEL BIKE+」(近日発売予定)だ。
TATAMEL BIKE+は、電動バイクの形状からスーツケースサイズの箱型へ変形する基本構造や性能はそのままに、TATAMEL BIKEの象徴でもあるサイドパネルのデザインの他、バイザーやホイールキャップなどのアクセサリー、シートの質感をはじめとしたマテリアルを大幅にアレンジしたモデルだ。展示ブースでは、TATAMEL BIKE+の「JMS2025 カスタムコンセプトモデル」の実機が展示されていた。
TATAMEL BIKE+を担当した同社 執行役員/デザインファシリテーターの田渕寛之氏は「これまでTATAMEL BIKEの製品化に向けて、デザイン面から“盛り付け”をする立場で関わってきたが、今回は『自分が乗りたいものを作る』をテーマに、自分の頭の中にあったイメージで新しいTATAMEL BIKEに仕立てた。ベースは同じだが、デザインを変えることで全く別のモデルのように印象ががらりと変わる。製品化に加え、既存ユーザー向けにもTATAMEL BIKE+仕様のサイドパネルやアクセサリー類を展開していきたい」と語る。
“おもちゃ化”から始まるモノづくり 「TOYBOX」を提唱
同社は、TATAMEL BIKEの製品化を通じて得た経験を基に、同社 代表取締役社長 兼 プロダクトデザイナーの生駒崇光氏が体系化した独自のモノづくりメソッド「TOYBOX」を提唱している。
TOYBOXとは、思い付いたプロダクトのアイデアをまず“おもちゃ化”し、3Dプリンタなどを活用して手に取れる形にした上で、遊びながら意見や感想を交わし、価値を共有することで新しいプロダクトを生み出すアプローチである。
一般的に、モビリティの試作は高額なコストがかかるが、3Dプリンタを用いて、おもちゃサイズで製作すれば試作コストを大幅に抑え、何度もやり直しができる。さらに、完成度の高い試作では指摘しにくい点も、おもちゃであれば気軽に意見交換ができるという利点がある。大人だけでなく、子どもの意見も取り入れやすく、遊びながら実際の利用シーンを想像/共有できる点も特長だ。
実は、TATAMEL BIKE+の開発でも、このTOYBOXの考え方が実践されたという。田渕氏は「最初におもちゃを作って、どのデザインがよいかをチームで話し合いながら決めていった。一度カタチにすることで、初めて見えてくるものがある」と振り返る。
TOYBOXには「おもちゃのこころで、ミライをつくる」というキャッチコピーが付けられており、同社が手掛けるプロダクトの多くがこのメソッドを基に生み出され、磨き上げられている。
「単に便利で美しいだけのものは、すぐに飽きられてしまう。ECサイトを通じたモノの消費が加速する今だからこそ、どんなにボロボロになってもお気に入りのおもちゃが捨てられないように、“遊び心”や“愛着”が持てるデザインを追求することが重要だ」(田渕氏)
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