連載
米国、中国から見た貿易相手国「日本」 存在感は著しく低下:小川製作所のスキマ時間にながめる経済データ(40)(2/3 ページ)
ビジネスを進める上で、日本経済の立ち位置を知ることはとても大切です。本連載では「スキマ時間に読める経済データ」をテーマに、役立つ情報を皆さんと共有していきます。今回は日本、米国、中国の貿易の関係性の変化について解説します。
米国の相手国別輸出入
続いて、関税問題で大きく揺れ動いている米国の状況を見ていきましょう。図2が米国の相手国別輸出(図2-1)と輸入(図2-2)の変化です。
米国の場合は、輸出も輸入も30年の間に約4倍に拡大しています。そして、輸入が大きく超過しているのも特徴的です。
相手国のシェアを見ると、輸出でも輸入でもメキシコとカナダの存在感が大きいことが分かります。北米大陸で地理的距離が近い国同士での貿易が活発化している様子がうかがえます。
また、中国の存在感も拡大していて、輸出では1994年時点ではトップ10に入っていなかったのが2024年には3位(シェア7%)に食い込んでいます。輸入でも既に日本、ドイツ、カナダを上回り2位(シェア14%)です。
1994年の段階では、日本は輸出でも輸入でもカナダに次いで第2位の重要な貿易相手国でした。しかし、2024年になると輸出でも輸入でも存在感が低下しており、シェアで見れば輸出では10%から4%へ、輸入では18%から4%に大きく低下していることが確認できます。
日本にとって米国は今なお大きな存在感を保ち続けている一方で、米国にとっての日本は主要貿易相手国のうちの1国といった立ち位置に変化しているということは認識しておくべきでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.