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阪神・淡路大震災から30年、災害支援ロボコン「レスコン」の現在地ロボットイベントレポート(1/4 ページ)

2025年8月9〜10日、神戸サンボーホール(兵庫県神戸市)で「レスキューロボットコンテスト2025」が開催された。今回は、災害支援のロボコンであるレスコンの初開催から25周年、そして阪神・淡路大震災から30年を迎える節目の年での開催となった

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 2025年8月9〜10日、神戸サンボーホール(兵庫県神戸市)で「レスキューロボットコンテスト2025」が開催された。予選を通過した14チームが制作したロボットたちが、がれきを越え狭所を進み、階段を昇降しながら、“要救助者”を傷つけず安全に救出するためのアイデアと技術を披露した。観客席からの声援と会場の熱気に包まれた2日間は、未来のエンジニアたちが真剣に“人を救うロボット”と向き合う場となった。

「レスキューロボットコンテスト2025」の様子
「レスキューロボットコンテスト2025」の様子。2階に上ったロボットが、がれきを撤去しているところ[クリックで拡大]
「レスキューロボットコンテスト2025」のロボットが連携して“要救助者”のダミヤンを救出する様子[クリックで再生]

レスキューロボットコンテストとは

 大会結果をお伝えする前に、レスキューロボットコンテスト(以下、レスコン)の概要について簡単に説明しよう。

 レスコンの競技フィールドは、実物の4分の1縮尺で再現された半壊ビルを模している。このフィールド上で、オペレーターがロボットを遠隔操縦し、数々のタスクをクリアし要救助者役のロボット「ダミヤン」を救出する競技だ。

 フィールド上には3つの部屋がある。ルームAは比較的広く、倒れたホワイトボードやキャビネット、がれきなどが点在している。奥にあるのがルームB。ここは天井や壁がある狭所のため、ロボットの行動が制限される。そして階段を上った先にあるのがルームCだ。休憩室という設定で、ベッドも置かれている。

写真の手前にあるのがルームA
写真の手前にあるのがルームA。室内には、ホワイトボードや机や椅子、キャビネットが倒れ、ガレキも散乱している[クリックで拡大]
フィールドは左右対称に作られている
フィールドは左右対称に作られており、2チームが同時にミッションに挑戦する[クリックで拡大]
2階建ての1階がルームBで、2階がルームC
2階建ての1階がルームBで、2階がルームC。ルームBの手前にはガス栓がある[クリックで拡大]
ルームBは壁と天井がある
ルームBは壁と天井があるためロボットオペレーションの難易度が上がる[クリックで拡大]
ルームCへ向かうロボット
ルームCへ向かうロボット。キャタピラや六足歩行で階段を上る[クリックで拡大]

 それぞれの部屋でダミヤンが救助を待っているが、参加チームメンバーにはダミヤンの居場所や状況は伝えられていない。ロボットに搭載されたカメラで収集した情報だけを頼りに、ガレキを除去し、ダミヤンを安全に素早く救助するのが重大なミッションだ。

ロボットを準備するパドック
ロボットを準備するパドックでは各チームが通信のチェックを入念に行っていた[クリックで拡大]

 ロボットは何台用意してもいいが、オペレーターは2人に限られている。そのため、遠隔操縦だけでなく、自律や半自律で動作するロボットもあった。

オペレーションルーム
オペレーションルームでは、レスキュー活動開始直前までロボットの入念なチェックが行われていた[クリックで拡大]
オペレーターの様子
オペレーターはロボットに搭載されたカメラから送られてくる映像だけを頼りにガレキ除去やダミヤン救助に挑む[クリックで拡大]

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