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【レベル3】図面の寸法値を複数回使うべからず!テルえもんクエストII(3)(1/3 ページ)

設計スキルのレベルアップを目指す設計者の皆さんを“冒険者”に見立て、さまざまな“問(モン)スター”に挑む「テルえもんクエストII」の世界へようこそ。【レベル3】のテーマは、「図面の寸法値を複数回使うべからず!」だ。

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本連載について:

ようこそ、「テルえもんクエストII」の世界へ――。設計スキルのレベルアップを目指す設計者の皆さんを“冒険者”に見立て、毎回クエスト(課題/テーマ)に沿って、さまざまな問(モン)スター(問題)が登場します。

筆者(テルえもん)から渡されるアイテム(基礎知識)を駆使して問スターを倒し、レベルアップ(スキルアップ)を目指しましょう!


⇒前回の【レベル2】はこちら

【レベル3】図面の寸法値を複数回使うべからず!

 前回のクエストでは、2D図面を基に3Dモデルを作成する際、図面に記載されていない寸法値を他の寸法から足し算や引き算で計算し、それを入力パラメーターとして使用してしまうと、計算ミスによる誤りが発生したり、設計変更時に意図しない形状になってしまったりする可能性があることを紹介しました。そこで、2D図面で指示された寸法値のみを使って3Dモデルを作成するためのテクニックとして、3つのアイテム(基礎知識)を授けました。

 今回のクエストでは、2D図面に指示された寸法値を複数回使用せず、1回のみ使うことの重要性と、それを実現するための3Dモデル作成テクニックを解説します。お使いの3D CADによっては、ここで紹介する機能が搭載されていない場合もあるかもしれませんが、スキルアップのヒントとして参考にしていただければ幸いです。

アイテム(1)押し出し終了位置の設定

 前回のクエストで「押し出しの詳細設定」について解説しました。そこでも紹介した通り、板に貫通穴を開ける際は、板の厚さ(距離)を入力して形状を切り取るのではなく、貫通(全てを切り取る)の設定にします。こうすることで、厚さの入力を省略でき、たとえ設計変更で板が厚くなっても、確実に貫通の穴を開けられます。

 多くの3D CADでは、押し出しの開始位置や終了位置を細かく設定できます。まずは機能をしっかりと覚え、自在に使いこなせるようになりましょう。

3D CADの「押し出し」に関する設定画面のイメージ(左:SOLIDWORKS/右:Autodesk Fusion)
図1 3D CADの「押し出し」に関する設定画面のイメージ(左:SOLIDWORKS/右:Autodesk Fusion)[クリックで拡大]

アイテム(2)パターンコピー

 3D CADでは、フィーチャー(作業)やボディー(形状)をコピーできます。例えば、同じ直径の穴が複数ある場合、まず1つだけ作成し、それを指定した直線方向にコピーしたり、円形に回転コピーしたりすることが可能です。この機能を使えば、設計変更で穴の直径が変わった場合でも、コピー元の1つを修正するだけで、他の穴も連動して自動的に更新されます。また、穴の数を変更するのも簡単です。

Autodesk Fusionで矩形状パターンを実行している画面の例
図2 Autodesk Fusionで矩形状パターンを実行している画面の例[クリックで拡大]

 スケッチ機能の中にパターンコピーができる3D CADもありますが、1つのスケッチはできるだけシンプルに作成することを心掛けましょう。複雑にしすぎないことで、思わぬエラーの発生を防ぎ、後からの設計変更にも対応しやすくなります。

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