セールスフォース、AIエージェント管理強化のソリューションを日本で提供開始:製造ITニュース
セールスフォース・ジャパンは、AIエージェントの可視性と統合性を高める「Agentforce 3」の日本提供を開始する。対話内容の分析や業界別アクション、外部ツールとの相互運用機能などを備える。
セールスフォース・ジャパンは2025年7月28日、AI(人工知能)エージェントの可視性と統合性を高める「Agentforce 3」の日本市場への提供を開始すると発表した。Agentforce 3は同年6月にグローバルで発表されており、日本市場向けにも順次機能提供を進めていく。
Agentforce 3は、AIエージェントとの会話やKPIを分析する「Command Center」や、AI支援によるテスト自動化機能を提供する。Command Centerでは、顧客との対話の詳細な分析や自己解決率の可視化、商談成約までの日数といった指標をダッシュボードで確認できる。2025年10月に提供予定だ。
また、Agentforce 3のログデータはOpenTelemetryに対応し、外部ログ管理ツールと連携可能となる。2025年8月からの提供を予定している。
Agentforce Studioでは、AIエージェントの構築と検証の効率化に向け、テストケースの自動生成、実行、評価機能を提供。業界特化型の200以上のAIアクションも事前定義されており、短期間で導入できる。
コンプライアンス対応が求められる業種向けには、同社がホストするAnthropic基盤を用いた実行環境を用意。英語版での提供を開始している。さらに、全社展開前のスモールスタートに向けた非消費ライセンス体系も用意。社内利用から段階的に外部展開へと拡張できる。
相互運用性の強化では、共通プロトコル「MCP(Model Context Protocol)」へのネイティブ対応により、AIエージェントが外部のMCP準拠サーバへ接続可能となる。MCP対応は現在パイロット提供中。加えて、AgentExchangeを通じて信頼性の高いMCPサーバを選定、追加できる仕組みも、2025年10月のパイロット提供を予定している。
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