共創型ワークショップ形式のサプライチェーン改革支援サービスを開始:製造ITニュース
クニエは、サプライチェーン領域の改革を支援する新サービスの提供を開始した。構想策定から実行や検証に至るまでのプロセス全体を、共創型ワークショップ形式で支援する。
クニエは2025年7月22日、サプライチェーン領域の改革を支援する新サービス「サプライチェーン・DXイノベーションワークショップソリューション」の提供を開始したと発表した。構想策定から実行や検証に至るまでのプロセス全体を、共創型ワークショップ形式で支援する。
同サービスは、業界ベンチマークや他社事例、顧客企業固有の状況を突き合わせ、経営層と現場の双方の視点からボトルネックを定量的に可視化。対話の出発点を共有する。短期間で合意形成を図るため、関係部門のステークホルダーを一堂に集め、現場の生の声を共有して対話しながら現状認識を共通化し、打ち手の共創を図る。その場で方向性について合意形成することで、速やかな意思決定を促進する狙いがある。
関連リサーチ、ベンチマーク比較、資料作成といった作業については、AI(人工知能)を活用。議論を創造的に、深く掘り下げられるように、集中できる環境を整備して短期間で実行性のある施策立案につなげていく。豊富な業界知識に基づき、課題に合わせてアプローチを変えることで、合意されたビジョンと施策を現場で実行可能なアクションに落とし込む。行動変容を促すフォローアップとトリガー設計を組み込むことで、持続的な改善行動を実現するとしている。
Google「10X Innovation Culture Program」と連動し、10Xマインドセットや組織文化変革の知見をワークショップに取り入れた。SCM、データマネジメント、AI、業務改革、新規事業支援など、同社内の複数チームと連携することで、構想策定で終わらない「現場で動く支援体制」の実現を目指す。さらに生成AIを活用して情報整理やアイデア精査の質を保ちながら、高速に発散、収束していくことで、参加者の創造性を引き出し、質の高いアウトプットを出せるように支援する。顧客の組織内に変革エンジンを内在化することを目的としているため、伴走支援ではなく「共に創る」スタイルを徹底する考えだ。プロジェクト後も自走的に改革を継続できる仕組みの構築を目指している。
サプライチェーンを取り巻く環境が大きく変化し、ESG(環境、社会、企業統治)への対応やレジリエンス強化といった中長期的な視点での経営課題と、リードタイム短縮や在庫最適化などの即応性が必要なオペレーション上の課題への対応をどう両立するかが重要になってきている。さらにグローバル環境の不確実性が高まり、従来の技術課題中心のアプローチだけでは限界が見え始めた。企業は組織構造や文化、意思決定スタイルに踏み込んで、適応課題への対応が求められている。
こうした背景を踏まえ、クニエは医師と患者のような「処方型」の関係性ではなく、組織の自律性と対話を重視した「プロセス・コンサルテーション型」のアプローチを採用。変革を共に設計して実行する支援の形を提供し、企業が迅速かつ柔軟に変革を推進できる仕組みづくりを実現していく考えだ。
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