三菱電機が新工場でガス絶縁開閉装置生産拡大、データセンター増設で需要増:工場ニュース
三菱電機は受配電システム製作所(香川県丸亀市)に新工場棟を建設し、キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS)の生産体制を強化する。
三菱電機は2025年8月7日、開閉装置や遮断器の製造を担う受配電システム製作所(香川県丸亀市)に、新工場棟を建設すると発表した。キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS)の生産体制を強化する。投資金額は約28億円で、稼働は2026年10月を予定している。
点在していた生産、試験ラインを集約 自動化ラインも導入
C-GISは、大容量電力を使用する施設内の電力配電系統に用いられている。電流を開閉できる真空バルブを搭載し、事故が生じた際などに電流を遮断/保護/制御する、高電圧向けの配電盤となっている。近年、生成AI(人工知能)の需要増大を背景に、データーセンターなど大容量電力が必要な施設の建設が相次いでおり、国内外でC-GISの需要が拡大している。
新工場棟は2階建てで延べ床面積は約6885m2となる。7.2〜84kVのC-GISや洋上風力向け向けC-GISを生産する。複数エリアに点在していたC-GIS生産、試験ラインを集約することで、部材受入から製造、出荷までの生産工程の効率化を図る。
C-GIS内への絶縁ガス充填作業時間を短縮する自動化ラインを導入し、ガス充填時間を約40%削減することで、生産性を向上させる。2027年度までに、C-GISの年間生産台数を従来比2倍にすることを目指す。
これまでC-GISの主な導入先だった変電所や駅、ビルなどの施設に加え、再生可能エネルギーの1つとして海外を中心に注目を集めている洋上風力発電に対応したC-GISの生産拡大にも力を入れる。現在、C-GISに使用する絶縁ガスとして主に使われている、地球温暖化係数の高い SF6(六フッ化硫黄)ガスに代わり、新工場棟では、環境負荷の低い自然系ガスを使用したドライエア絶縁方式の洋上風力向けC-GISの開発にも取り組むという。
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