AGCが通期業績見通しを下方修正 トランプ関税でなく塩化ビニール価格下落が影響:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
AGCは、2025年12月期第2四半期の決算で、売上高は円高に伴う減収影響もあり前年同期比197億円減の9955億円となり、営業利益は原燃材料価格上昇などのコスト悪化により、同27億円減の540億円になったと発表した。
AGCは2025年8月1日、オンラインで会見を開催し、2025年12月期第2四半期(1月1日〜6月30日)の決算を発表した。
生産性が低いラインを停止し、高付加価値製品のラインに注力は継続
2025年12月期第2四半期の売上高は、円高に伴う減収影響もあり前年同期比197億円減の9955億円となった。営業利益は収益改善施策の効果が発現したものの、原燃材料価格上昇などのコスト悪化により、同27億円減の540億円を記録した。
セグメント別では、建築ガラスセグメントの売上高は、同139億円減の2108億円となった。営業利益は、前述の減収要因に加え、原燃材料価格が上昇したことなどにより同69億円減の32億円だった。同セグメントでは欧米で、価格政策の効果があったものの、欧州で出荷が減少したことに加え、ロシア事業の譲渡や円高に伴う減収影響により、前年と比べて減収した。アジアでは、インドネシアなどでの販売価格下落や、出荷が減少したことにより、前年同期に比べ減収となった。
オートモーティブセグメントの売上高は、同38億円増の2557億円で、営業利益は同46億円増の151億円だった。同セグメントでは、自動車用ガラスの出荷が欧米で減少したものの、日本で増加した他、品種構成の改善や価格政策の効果により増収した。
電子セグメントの売上高は同12億円減の1681億円で、営業利益は、収益改善施策の効果などにより、同44億円増の244億円となった。同セグメントでは、液晶ディスプレイ用ガラス基板の出荷数量が増加したものの、ディスプレイ用特殊ガラスの出荷数量減少により、売上高は前年同期並みだった。電子部材は、EUV露光用フォトマスクブランクスなど半導体関連部材の出荷数量減少に加え、円高の影響もあり、前年同期に比べ減収した。
AGC 副社長 執行役員 CFOの宮地伸二氏は「オートモーティブセグメントと電子セグメントのディスプレイ事業では、生産性が低いラインを停止し、高付加価値製品のラインに注力するという取り組みを行っている。この取り組みを継続し、収益力を向上させる」と語った。
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