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トランプ関税でMMA市況が低迷 三菱ケミカルグループの通期業績に影響製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

三菱ケミカルグループは、2026年3月期第1四半期の決算で、売上高は前年同期比13%減の8807億円となるも、営業利益は同9%減の609億円となった。

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 三菱ケミカルグループは2025年8月1日、オンラインで記者会見を開き、2026年3月期第1四半期(2024年4月1日〜6月30日)の決算について発表した。

 なお、同社は同年6月25日に実施した定時株主総会で、連結子会社である田辺三菱製薬の全株式および関連資産を吸収分割により譲渡する契約を承認したことに伴い、今回の決算では、同社とその子会社などの事業を非継続事業に分類している。当第1四半期連結累計期間と前第1四半期連結累計期間の売上収益、コア営業利益、営業利益及び税引前四半期利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示している。

スペシャリティマテリアルは設備投資が進行中

 2026年3月期第1四半期の売上高は前年同期比13%減の8807億円となるも、営業利益は同9%減の609億円となった。営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除外したコア営業利益は同11%減の566億円を記録した。

2026年3月期第1四半期の連結損益計算書
2026年3月期第1四半期の連結損益計算書[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ
コア営業利益(全社)増減要因
コア営業利益(全社)増減要因[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 2026年3月期第1四半期の世界経済は、米国の底堅い個人消費や、日本の雇用/所得環境の改善による個人消費の持ち直しに加え、中国の景気刺激策、欧州の積極的な財政出動といった各国の政策に支えられたものの、米国の通商政策に起因する景気下押し懸念が各地域に広がり、総じて経済成長には減速感が見られた。

 セグメント別では、スペシャリティマテリアルズセグメントの売上高は同6%減の2587億円で、コア営業利益は同23%増の141億円となった。同セグメントのコア営業利益では、炭素繊維事業の販売構成差による売買差悪化はあったものの、半導体関連事業などの販売価格向上により売買差が改善した。加えて、バリア包材用途などの需要が回復したことによる販売数量の増加や、各事業の生産拠点の見直しなどによる合理化効果で、コア営業利益が増加した。

 三菱ケミカルグループ 執行役員 最高財務責任者の木田稔氏は「スペシャリティマテリアルズは、ソアノール、合成設営、レジストなどの設備投資が進行中で、将来の成長を見込んでいる」と話す。

 同セグメントは、アドバンストフィルムズ&ポリマーズサブセグメント、アドバンストソリューションズサブセグメント、アドバンストコンポジット&シェイプスサブセグメントから成る。

 アドバンストフィルムズ&ポリマーズサブセグメントでは、バリア包材用途などの需要が緩やかに回復したことによる販売数量の増加があったものの、為替影響に加え、トリアセテート繊維などの事業譲渡に伴う影響などにより、売上高は減少した。

 アドバンストソリューションズサブセグメントでは、電気自動車(EV)用途の欧米における需要やディスプレイ関連用途のニーズが低減したことによる販売数量の減少などにより、売上高は減った。

 アドバンストコンポジット&シェイプスサブセグメントでは、高機能エンジニアリングプラスチックの需要が増えたことによる販売数量の増加があったものの、為替影響や、炭素繊維複合材料成型品などの需要が減少したことによる販売数量の低減、販売価格の低下などで、売上高は縮小した。

スペシャリティマテリアルズ事業のコア営業利益増減分析
スペシャリティマテリアルズ事業のコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

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