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【レベル2】指示された寸法値のみ使用せよ!テルえもんクエストII(2)(2/3 ページ)

設計スキルのレベルアップを目指す設計者の皆さんを“冒険者”に見立て、さまざまな“問(モン)スター”に挑む「テルえもんクエストII」の世界へようこそ。【レベル2】のテーマは、「指示された寸法値のみ使用せよ!」だ。

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問スター(3)があらわれた!

 おや、さらに問スターが出現したようです(図6)。まずは、問スター(3)を少し観察してみましょう。

問スター(3)
図6 問スター(3)[クリックで拡大]

 例えば、厚さ10mmの箇所を作成する際、切り取る量(40mm)を計算して使用してしまうと、奥行きの寸法が変更された場合に厚さが10mm以上になってしまい、指示された形状とは異なるものになってしまいます(図7)。

計算値を使用して作成した場合と、指示された寸法値を使用した場合の比較例
図7 計算値を使用して作成した場合(上段)と、指示された寸法値を使用した場合(下段)の比較例[クリックで拡大]

 では、問スター(3)の攻略に必要なアイテム(基礎知識)を確認していきましょう。

アイテム(1)平面の作成

 多くの3D CADソフトには、「平面」を作成する機能があります。例えば、以下のような操作が可能です。

  • 基準の平面からオフセット量を指定して平面を作成する
  • 指示したエッジ(稜線)から角度を指定して平面を作成する
  • ジオメトリ(要素)を選択して、任意の位置に平面を作成する

 この機能を活用することで、スケッチを描きたい位置や、押し出しの開始/終了位置に平面を作成できるようになり、2D図面に指示された寸法値のみを用いて3Dモデルを作成することが可能になります。

「Autodesk Fusion」における平面作成コマンドの例
図8 「Autodesk Fusion」における平面作成コマンドの例[クリックで拡大]

アイテム(2)押し出しの詳細設定

 3D CADソフトによっては、機能名が異なったり、該当の機能が搭載されていなかったりする場合もありますが、筆者が普段使用している3D CADでは、多くの場合、スケッチを押し出して立体を作成する際に、押し出しの開始位置を変更したり、終了位置を設定したりすることが可能です。この機能を活用すれば、2D図面に指示された寸法値のみを使用して3Dモデルを作成することができます。

3D CAD「押し出し」の設定画面(左:SOLIDWORKS、右:Autodesk Fusion)
図9 3D CAD「押し出し」の設定画面(左:SOLIDWORKS、右:Autodesk Fusion)[クリックで拡大]

 例えば、貫通穴を開ける場合には、距離を入力するのではなく、全てを切り取る設定にすることで、形状の大きさが変わった場合でも、貫通穴が開くように設定することも可能です。

 お使いの3D CADにアイテム(2)の機能がない場合は、アイテム(1)の平面作成機能を活用して解決策を検討してみてください。スケッチを描く位置に合わせて平面を適切に作成することで、押し出しの開始位置を調整でき、アイテム(2)を使わなくても対応できる場合があります。

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