工場向けサイバー対策SOCサービスの提供開始、製品導入後の負荷を軽減:産業制御システムのセキュリティ
高千穂交易は、工場やプラント向けセキュリティ対策ソリューションとして、Nozomi NetworksのNozomi Guardian製品向けSOCサービス「TK-SNOC」の提供を開始する。OT環境のサイバーセキュリティ対策の運用支援を目的とする。
高千穂交易は2025年7月8日、工場やプラント向けセキュリティ対策ソリューションとして、Nozomi NetworksのNozomi Guardian製品向けSOC(Security Operation Center)サービス「TK-SNOC」を発表した。OT環境のサイバーセキュリティ対策の運用支援を目的とし、2027年度までに50社の導入を目指す。
TK-SNOCは、ネットワーク運用サービスのノウハウと24時間365日体制を強化した、サイバーセキュリティ向け運用サービスだ。
主なサービスは、アラート監視、インシデントエスカレーション、Guardian機器の稼働監視、Guardian機器のリソース監視、設定チューニング、製品Q&Aや保守対応、月次MSSレポートだ。アラート監視では、アラート対応の可否を分類し、必要に応じて顧客管理者にエスカレーション対応することで、導入後の運用の負荷を軽減する。
インシデントエスカレーションでは、Guardianから発報されたインシデント情報を監視し、顧客管理者にエスカレーションして、迅速な対応を支援する。Guardian機器稼働監視とリソース監視は、OT監視全体の可用性向上と品質への悪影響予防を目的とする。
設定チューニングでは、誤検知を減らし、必要なアラートのみが通知されるよう設定を変更することで、運用品質を維持する。製品Q&Aや保守対応では、本製品に関する問い合わせにも対応する。
月次MSSレポートでは、SOC運用の対応状況を月次でレポートし、顧客と状況を振り返り、OT環境の現状を可視化して共通認識を醸成する。また、今後の対応についても協議する。
今回は、TK-SNOCサービスの第1弾としてOT向けSOCサービスを提供するが、今後、サービスメニューを順次拡張していく予定だ。
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