ニュース
三菱電機、AI支援型PLMシステムを開発するスタートアップ企業に出資:製造マネジメントニュース
三菱電機は、AI支援型PLMシステム「PRISM」を開発したThingsに出資した。製造、制御に関連する三菱電機のノウハウとThingsの生成AI技術を融合させ、製造業DXソリューションの提供に向けて実証を進める。
三菱電機は2025年7月7日、AI(人工知能)支援型PLMシステム「PRISM」の開発会社であるThingsへの出資を発表した。三菱電機とグローバル・ブレインが共同運営する、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「MEイノベーションファンド」による12件目の案件となる。
Thingsが2023年5月から提供しているPRISMは、生成AIを活用して、製造業の全情報の構造化や活用を支援する。UI(ユーザーインタフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)に優れ、コスト面や拡張性において高い優位性を持つことから、幅広い企業においてPoCや導入の実績がある。
三菱電機は今回の出資を通じて、製造や制御に関する同社のノウハウとThingsの生成AI技術を融合させ、製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションの提供に向けて実証を進める。
日本の製造業では、人手不足や熟練技術者の高齢化による技能継承が課題となっている。そのため、PLMシステムによるDX化が加速している。従来のシステムでは、導入に関して開発期間やコスト、操作性、拡張性などの面でさまざまな課題があった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
三菱電機は3年間で1兆円のM&A投資を見込むが、8000億円規模の事業で終息見極め
三菱電機は経営戦略について説明した。構造改革として2025年度中に8000億円規模の事業見極めを行う方針を示した他、今後3年をめどに1兆円をかけて新たなM&Aを進める計画などを明らかにした。三菱電機のデジタル基盤「Serendie」はハードウェアを賢く進化させる原動力に
三菱電機がデジタル基盤「Serendie」関連事業の戦略について説明。2030年度のSerendie関連事業の目標として、売上高で2023年度比71%増の1兆1000億円、営業利益率で同7ポイント増の23%を掲げるとともに、同事業の拡大を支えるDX人財の数を2023年度の6500人から約3倍となる2万人に増やす。「三菱電機っぽくない」共創空間 事業変革目指すためのスペースが横浜で完成
三菱電機はフルオープンした共創空間「Serendie Street Yokohama」の完成披露会を開催した。なぜ日本の製造業はPLM構築につまずくのか? よくある失敗事例を見てみる
「すり合わせ」や「現場力」が強いとされる日本の製造業だが、設計と製造、調達などが分断されており、人手による多大なすり合わせ作業が発生している。本連載では、ものづくりYouTuberで製造業に深い知見を持つブーステック 永井夏男(ものづくり太郎)氏が、この分断を解決するPLMの必要性や導入方法について紹介する。第2回では、日本の製造業がPLM導入で失敗する理由について掘り下げる。PLM実現に向けたAI時代のデータマネジメント
本連載では、製造業の競争力の維持/強化に欠かせないPLMに焦点を当て、データ活用の課題を整理しながら、コンセプトとしてのPLM実現に向けたアプローチを解説する。第4回は「データマネジメントの本質」について考える。